ぱんだの喘息日記

ぱんだの喘息日記

車椅子宣告


座る練習を始め、なんとかベッドの柵に捕まって、起き上がった。
ほんの数秒だったけれど、それが嬉しくて、先生に見せたくて、ナースコールを押して貰った。
『先生いる?座ったからすぐ来てって言って』
先生は、すぐに見に来てくれて(笑)
欲が出たというか気持ち的には、起き上がれれば立てると思っていたので、リハビリの先生に立ちたいと言ったのです。先生は
『いいよ。支えてあげるから立ってごらん』
私は自信満々に立ち上がろうとしました。
ところが、立ち方がわからない。
身体が持ち上がらない。
いくら力を入れても立とうとしても出来ませんでした。
現実を目の当たりにして、真っ暗になりました。
それでも、私には頑張るしかなかったのです。
『先生、外が見たい。お水に触りたい』
車椅子に移動させてくれ、外に連れて行ってくれました。
そして、帰りに、お水にも触らせてくれて…
『凄いね。凄いね。太陽があった。手が濡れてるよ』
先生は笑ってたけど、私には凄い事でした。
お水を触っている時でした。
『最終的に自力でトイレに行けるようになるといいね』
えっ?先生、今なんて?
『私、歩けないの?』
そう聞くと
『車椅子でトイレ行って、手摺り使って移動出来れば凄い事だね』って…
私は、静かに
『そうだね。家に帰れればいいもんね』と言った。
取り乱せば、みんなが心配するから、出来るだけ普通にしているしかなかった。
私がリハビリの先生と院内を回っているのを知らなかった先生は大騒ぎ!
『ぱんだがいない』って探して歩いていたようで、院長が
『ぱんだいないから○○先生、探して歩いてた(笑)』と。
後々、聞いたら、また逃げ出したかと思って探してたみたい。
そして、その日のカルテには車椅子使用と書かれた。

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