milkyの心のままに独り言

パンドラの箱　転機　第一章

過去の思い出。心の片隅に押しやっていた記憶。今更とは思うけど〔転機〕として

波乱だった日々を辿ってみる事にした。私は、父20才、母21才の時の子供。父はハ

ワイアンバンドでウクレレを弾き、母は父の追っかけだったみたい。私の生まれた

家は、的屋(縁日でお店を出してる)それが祖父の職業で、平たく言えばヤクザか

も。そして４番目の祖母と(祖父は5回結婚？をしたらしい)つまり両親は祖父母と同

居していた訳。2才の頃、父と母が離婚へのカウントダウンを刻み始めた頃から、私

の記憶は残っている。家にお風呂がなくて、母と祖父母と銭湯へよく行った。氷屋

さんで食べた氷あんず。杏は私の好物だったみたい。そして母をママ。父をパパ、

祖父母を、お父さん、お母さんと呼んでいた。ある日、ママは大きな鞄を抱え、家

から出かけようとしていた。明らかにいつもと何かが違っていた。私はお母さんに

抱かれながら、ママと泣いていた。ママはお仕事(喫茶店)に行っていたけど、なん

か悲しい気持ちで、その日は泣かずにはいられない私だった。そしてママは戻らな

かった。その後、パパも家を出た。もともと仕事柄家に居る事が少なかったけど、

何日しても帰って来なかった。私は、祖父母の所に置いて行かれたらしい。祖父の

仕事の関係で、沢山のおもちゃが与えられていた。おままごとセット、水鉄砲、ア

ニメのお面、りかちゃん人形段ボールに５箱ぐらいはあったかも知れない。ひとり

遊びが得意で、その頃から自分の世界で生きていた気がする。やがて４才になろう

としていた私。近所に友達は居たけど、私と遊びたいのではなく、私の持っていた

おもちゃで遊びたくて来ていた事、感じていた。物では埋められない心。必死に抑

えていたっけ。祖父母は二人とも酒飲みで、酔うとよく喧嘩をしていた。真夜中に

大声で叫んでいた。恐かった・静かにしていないとって思っていた。４才になり祖

父母は離婚。お母さんって追いかけながら号泣した。血縁関係はなかったけど私が

間違いなく大好きだった〔お母さん〕二度目の別れ。そして父が帰って来た。女の

人を連れて、二階の窓を覗いて居たらトラックが停まり荷物が運び込まれた。そし

てその日から、私のママになった人との暮らしの始まり。父は相変わらず巡業が多

かった。ハワイアンからジャズのバンドマンになっていたみたいだけど。その頃の

父との思い出。よく公園に連れて行ってくれたし、芝生の上でお昼ねしたり、手を

繋いで歩いてくれた。優しく抱き上げてもくれた。私を愛してくれていた。私があ

んな事さえしなければ、その関係は保たれていたのかな？あんな事とは、所謂つま

み食い。おでんをママが煮ていて、おなべから美味しい匂い。誘惑に負けてしまっ

た。その瞬間、階段から足音。すごい勢いで追いかけてきた。裸足でとにかく逃げ

た。逃げないと殺される。初めて感じたその恐怖。近所の薬局に飛び込み、おじち

ゃん助けて～殺される！鮮明に覚えてる恐ろしい日々への序幕に過ぎなかったけ

ど。ママは笑顔で私の手を引き、近づいてきた。お家に帰ろうと。そして父が帰っ

てくると、ママは手首に剃刀の刃を当てて、父に問いただした。押し入れに立てこ

もり泣き叫びながら。この子なんとかしてよ。私とどっちを取るの？それから二人

の話声は耳をふさいで聞かないでいた。悲しくて胸が張りさけそうだった。父が静

かに、私の名前を呼び、銭湯へ連れていってくれた。体を洗ってくれたっけ。そし

てこれが父との優しい思い出の終幕になり、父との関係の終わりでもあった。昼間

からよく（父とママ）二人はベッドの中で抱き合っていた。何をしているのかは定

かではなかったけど、子供ながらに見てはいけないものの様な気がしてた。そし

て、外へ出かける事もできずに、窓の外を眺めていた。またこの子は・・いきなり

ヒステリックな声が背中でする。何もわからないままひたすら逃げる。父の手が私

を叩きつけ、いつしかその手には木のハンガーや、皮のベルトを振りかざす様にな

っていた。痛いよ。止めてよ～涙が止まらない。何故怒られているのか解らない。

私が悪い子だから？そして〔ごめんなさい〕を口にすると、ママと父を止めてくれ

る事を覚えた私。父とママの機嫌をそこなわない様にしなくては、顔色を伺う事も

覚えた。腫れ上がった顔、腿、鼻血が流れ唇が切れた。体中あざだらけで、鏡に自

分の顔を映すのも恐かった。おーい馬鹿、何時の間にか付けられた私の名前。それ

は馬鹿。そこへ正座して、私が悪うござましたって1000回言え。手を頭の上で組ん

で上げてろ。小さな私は数を数えられない。間違えたら殴りつけられるから必死に

覚えた。小学校へ上がる前に数を1000迄数えられていたのだ。これが私の日課にな

っていた。心の中で、別れた母や祖母の名前を呼びながら・小学校へ上がる迄の時

間の流れ、忘れられない記憶。私の波乱の人生の幕開けについて、今日から書いて

いこうと思う。とりあえず今日はここ迄としよう

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