私が国際刑事裁判所(ICC)に期待しているのは、過去に多くの政権担当者が逮捕され、判決も受けているからだ。その主な例を挙げる。
① 2005年7月8日、ジョゼフ・コニーらテロ組織‘神の抵抗軍’幹部にICC逮捕状が発行され、2006年6月1日にICCから要請を受けた国際刑事警察機構(ICPO)が国際手配を行った。
② 2007年5月、スーダン・ダルフール案件について、現職の政府閣僚を含む容疑者2名に対して逮捕状が発行された。同案件については2008年7月さらに、ICC検察局が同国のオマル・バシール大統領の逮捕状も請求。
③ 2008年8月には、北オセチアをめぐるグルジア事態について、グルジア・ロシア連邦両国政府の協力を得て調査を開始。
④ 2009年1月26日、コンゴ民主共和国の案件について公判が開始された。
⑤ 2011年2月26日、安保理決議1970に基づいてICC検察官によるリビアに対する捜査が開始。6月27日に当時の指導者ムアンマル・アル=カザフィーの逮捕状を請求国際指名手配を行った。
⑥ 2011年11月30日、2010年コートジボワール危機のさなか、人道に対する罪を犯したとしてローラン・バグボ前大統領を逮捕・収監。元首経験者に対しはじめて逮捕状を執行した。
⑦ 2012年4月26日、リベリア内戦で人道に対する罪などを犯したとして、リベリアの元大統領チャールズ・テーラーが国連設置法廷史上初の有罪判決を受けた。