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2006年05月25日
これで終わり
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今日は朝早く起きて妹と慌しく準備をして、
めったにないような快晴でこれ以上にない程理想的な散骨日和でした。
どんよりとした天気だったら泣きたい気分になるかも知れなかったですが、
晴れていたせいで松島への車内は普通の世間話だらけのドライブでした。
叔母が来るちょっと前に、妹がカーステレオの音楽に反応して
「悲しい歌だーーーっ」と言いました。
妹は非常に英語が得意なのでおそらく音楽は自然と歌詞も聴いているようです。
え、なんていってた?と言うと、
と言って笑い始めました(サイモンとガーファンクル「He was my brother」)。
「あは、笑うとこじゃないんだけどあんまりにも悲しすぎて」と言いました。
45号線をひた走って向かったのですが、
途中、先日小学生が転落死したマンションの前を通りかかると、
報道陣がたくさんいて物々しい雰囲気でした。
それを過ぎてひたすら走り続けると、
意外と1時間程度で松島に着きました。
現地で姉と兄と合流するはずがどちらも現れず、
時間ぎりぎりに姉が現れて、
兄が時間過ぎてもこないので電話すると、
仕事で神戸にいるから来れないとの事でちょっとホっとしてしまいました。
わたしの家ともう一家族が同じ船で散骨をしたのですが、
そちらは大所帯できさくな方々でした。
その中の年配の女性がわたしと姉に寄ってきて、
どなたの散骨ですか、と訊かれたので、
わたしたち(姉・わたし・妹)の母親です、と答えると、
そして「出航の時間です」と声がかかって歩き始めました。
すると先ほどの女性が
「あなたたちのお母さん?あらー、お父さんは?」とたずねました。
わたしは面倒くさいからあー父ももう亡くなっててーとか誤魔化したかったのですが、
姉の手前そうも言えなくて(姉は父と長年同居している)、
「あー欠席です」と言いました。
「えっ、いらっしゃらないの!?なんで?亡くなったってこと?」と言われました。
わたしはこのテの「想像力の薄い幸せな善意の人」にはかなり慣れたので、
テキトーにごまかそうとしてふたたび「いや欠席なんですー」と言うと、
それにかぶせて姉が「あの、なんでそんなことお話しなきゃらならないんですか」と言ってしまいました。
相変わらず姉の短気さとコドモさには困惑させられます(一応27歳)。
わたしたちはそのまま早足で歩き出して事なきを得ました。
船は陸を離れてどんどんと沖へ出ました。
天気がとても良くて絵のようなクルーズでした。
かなり離れて海の真ん中で止まって散骨しました。
昨日粉状にした白い骨が風に乗って海へ落ちていきました。
それから花びらをまいて、ビールとお茶の葉をまいて、
淡々と作業が終わってふたたび陸へ帰りました。
するとさっきの方と一緒にいた年配の女性がわたしと姉の隣に座って、
「あなたたちのお母さんおいくつだったの?」と訊いてきました。
わたしが一瞬黙ると、姉が
「あなたにそんなことお話する必要ないと思いますけど」とかなりキツい口調で言い放ち、
女性は離れていきました。
わたしはなんでこうなっちゃうんだろうと思いました。
どうして想像力の無い善意の人が積極的なケースが多いんだろう、
どうして姉は正しい側は何をどんな風に言ってもいいというようなコドモなんだろう、
とうんざりしました。
そのまま船は走り続けました。
わたしは慌しい散骨や姉の行動にハラハラしてしばらく気持ちが昂ぶっていましたが、
しばらく船が海を切るうちにぼーっとしてきました。
そしてジェットの轍を眺めているうちに不意に、
終わったのか?終わったんだ、
あの日、散骨してちょうだいねと言われた母の頼みが今終わったんだとわかりました。
あの時は生きて話していたのに、
今あの人の中に入っていた骨が粉になって海へ沈んでいったんだと思いました。
それまで全然悲しい雰囲気でもなんでもなくて泣きそうでもなかったのに、
急に涙がこみあげてきてこっそり泣いていると、
レーコさん(叔母)がハンカチを取り出して、
美奈ちゃんごくろうさまだったね、と言って涙を拭いてくれました。
向かいに座った若い男の人がこっちを見ていて、
しけった雰囲気にしてしまったと申し訳なく思いましたが、
いまいち涙が止まりませんでした。
船は陸についてまたさっきの家族のおばさんがやってきて、
わたしと姉に「お母さんいくつでいらしたの」と訊いてきました。
姉がかなりキレた口調で「そんなこといちいちお話する必要ないんですけど!」と言いました。
わたしはまーまーまーまーと抑えて、
必死の思いで、「あの、そっとしといてください」と言いました。
おばさんたちはあらーごめんなさいね、と言って歩いていきました。
わたしは姉と妹と叔母がトイレに行くのを見送って、
一人ダッシュでさっきの家族に駆け寄って、
「姉がすみません」と謝りました。
相手の家族にとっても大切な散骨の思い出がうちのせいで曇ってしまうのが申し訳なかったのです。
「いいんですよ、かえってこちらこそ、
人が亡くなった時ってナーバスになってますからねえ」とおばさんは言いました。
「そういうことじゃないんです!!この無神経!!!!」
と、
わたしだって言いたかったのですが普通大人はそういうことを言わないのです。
姉はいつになったら大人になるんだろうと思いました。
姉と別れてわたしと妹と叔母は仙台へ帰りました。
途中で昼食に焼肉を食べました。
なにか景気のいいものを食べたかったのですが、
思ったよりずっと美味しかったです。
帰りにわたしの家に寄って叔母と妹と3人でコーラを飲んだりニュースを見たりしてのんびり過ごし、
夕方に叔母を仙台駅まで送っていきました。
わたしと妹は買い物をして帰り、
夜になって夕飯を作りながらビールを飲みました。
そしてもう一本お酒を飲んでるうちにかなり眠くなってきて、
わりと早めに寝ました。
♪WEDNESDAY MORNING,3AM(Simon&Garfunkel)
♪Parsly,sage,rosemary&time(Simon&Garfunkel)
♪Sound of silence(Simon&Garfunkel)
♪BOOKEND(Simon&Garfunkel)
♪Bridge over troubled water(Simon&Garfunkel)
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最終更新日 2006年05月28日 15時11分27秒
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