嵐大好き母娘の毎日

１２月

でも、これはまだ症状の軽い場合の治療法だったのです。
娘は、これには当てはまりませんでした。

担当医師から、詳しく娘の状態について改めてお話がありました。
「白血球ですが、発見時点で１０万６千でした。これは極めて完治率が低いです。また、発病年齢が２歳前ですのでこれも良いとは言えません。その上、染色体に異常があります。これももう少し詳しく調べなくてはいけませんが、質の悪い染色体異常でしたら、更に治癒しにくです。化学療法だけでは、治癒が見込めないため移植を前提に半年化学療法を行っていきます。その後、自家骨髄移植を予定しています。ご両親の骨髄の型があえば、いただくかもしれませんので、これもいずれ検査していきたいと思っています。
今のところ、お嬢さんの状態から言えることは、１ヶ月が山です。これを乗り越えても、治癒率は３０パーセントくらいでしょう。治療目的と栄養点滴目的のため、胸にカテーテルを挿入する手術を２２日に予定しています。」

愕然。
１ヶ月・・・・・。娘は助からないかもしれない・・・・・・。
そんなばかな！！！！！

医師からのお話があってから、すぐに輸血と治療のための抗がん剤の点滴と飲み薬（バクタ、ポリB、ファンギゾン）を処方されました。これらは全て免疫力低下による感染症予防のためのものでした。
娘は、血管が本当に細く、刺してもすぐにもれてしまい、刺し直してばかりでした。
日が経つにつれて、刺す場所がどんどん無くなり看護士さんも先生も困りだす始末。娘も点滴を刺される恐怖から、大人全てを拒否するようになりました。本来は人懐っこかったんですけどね。
点滴と採血は、本当に悲惨でした。
針を刺したまま、グルグル回したり、抜けない程度に抜き差しして角度を変えたり。
これが３０分くらい続くのです。
もし、ひとりの看護師で血液が採れなかった場合は、別の看護師が来て同じことを繰り返す。。
ひどい時は、３人の看護師が採血しても採れず、最終的に医師が採血することになったり。
私は、娘の絶叫をただ、胸が引き裂かれる思いで聞いているだけでした。

病気で落ち込んでいる私に、さらに追い討ちをかけるように、同じ病室の人はとても冷たい人もいました。
私たちが入った病室の人は、ほとんどが神経芽腫の子供だったためか、とても冷めた目で、私たちを見ていました。
それでも、数日後には、大人の病棟から同じ病室に４歳の女の子が移ってきたことで少し救われました。
Mちゃんは、実際１ヶ月前に入院したらしいのですが、小児病棟では空きが無かったため大人病棟で治療を進めていたそうです。Mちゃんも白血病でお母さんには、入院中ずっと親しくしてもらってました。相談にもたくさんのってもらったり、娘を本当に可愛がってくれてました。
この頃、夫は娘の入院で離婚を保留にするとは言ってきましたが、女性の存在は消えてはいませんでした。
娘のこと、夫のこと、ボロボロになっている私には、このお母さんの存在がすごく救いになってました。
今でも、本当に感謝感謝です。

　入院してから約２週間経った頃、娘の髪が”ゴソッ”と音を立てて抜け始めました。
ドラマや小説でも、ゴソッという表現が出てきますが、本当にそんな音がするとは思いもしませんでした。
　くせ毛栗毛肩まであった可愛らしい髪が触れるだけで、抜け落ちる。
髪が抜けることは覚悟をしていたけど、やっぱりショックでした。
さらに衝撃を受けたのは、眉毛もまつ毛も毛という全てが抜け落ちてしまったこと。

　２２日にカテーテル挿入の手術が確定したため、治療を一旦中断して体力を戻すことになりました。
今の状態が、白血球がまったく無い状態（２５以下）だったので、栄養点滴と赤血と血小板の輸血が行われることになりました。
白血球が減ったことにより、下痢にもなりました。
３０分おきでオムツを替え、、、、挙句には、お尻までかぶれてきてしまい、お湯で洗ってもすごく痛がるのです。
見ている私も、本当に辛かった。。。。

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