misty247

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2007.06.19
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カテゴリ: 私の歩いた山と道
 「もう間もなく日の出です」とガイドさんの声に皆は東の空を見つめた。雲海の彼方はかぎろいでもう十五分ほど前から明るかった。御来光の望めるあたりに雲の層が走っていたため、覗く太陽の輪郭をはっきりと識別することはできなかったが、冷えた空間を赫灼と染めゆく核が雲上に浮かび上がったと知るだけの輝度差はあった。

富士山_御来光


 今年は暖冬で各地のスキー場は雪不足に悩まされたが、七月一日に山開きを迎えるここ富士山山頂部は、異例の残雪の多さに悩まされた。六月下旬の段階で、登山は八合目までしか無理と判断された。山小屋経営者たちの除雪作業と月末に好天が続いたおかげで、吉田道に限り、登山路と下山路を併用するという方法で、山頂までの登山路が山開きの日の寸前になって開かれたのだ。頂まで行けるのは幸運だった。
 加えて幸運なことは、予想以上に美しい御来光の空を眺められたことだ。前夜から雨で視界は絶望的だった。八合目を発つとき現地ガイドさんが「御来光は望むのは無理です」と言った。落胆はしなかった。トイレはここで済ましてください、落石は起こさないように、体調が優れない場合は無理をせずリタイアしてください、そういう明白な事柄のひとつに、御来光は見られません、というのが並んでいただけのことだ。霧雨がフードをつたって集い滴となって胸の上を流れていく、そちらに注意の半ばを奪われながら聞いていた。深夜3時のこと。

 山頂施設は何も開かれていなかった。神社はシャッターを下ろし、お鉢巡りは無理だった(盆まで無理でしょうとガイドさんの弁)。展望はただ雲海のみ。諸条件芳しいとは言えないが、期待どん底から悪天の末に辿り着いたこの九合目過ぎの御来光は、とても嬉しいものだった。  <つづく>





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Last updated  2007.07.02 15:25:44
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