misty247

misty247

2007.09.20
XML
カテゴリ: 私の歩いた山と道
 ごつい鎖である。一コマが吊革ぐらいある。輪の中に靴のつま先を入れて登った。滑りそうで恐いが、雨の流れ落ちる岩場は踏ん張りが利きそうにない。ごつい鎖はまた長い。これまで登った鎖場で印象的だったのは姫路の雪彦山だったが、スケール感の違う石鎚の鎖場は圧倒的で、鎖場といえば石鎚、そう連想するようになった。

 石槌山の標高は1,982mで、白山以西の西日本一の高さである。しかし、その山は高さを謳うことなど二の次にしてこだわらない。峻険な山巓、笹原を縫う優美な稜線、度肝を抜く鎖場。展望は申し分なく素晴らしいとガイドブックはどれも褒めている。しかし私の登ったこの日はあいにくの雨で、瀬戸内海の望めないのはもちろんのこと、視界は1キロ先でガスに遮られた。

 展望がないのは残念だったが、雨は鎖場の雰囲気を盛り上げてくれた。濡れた鎖をつかむ。体重をかけると、濡れた軍手からジュッと水が絞られて、手首を伝って流れてくる。濡れること汚れることにかまっていると、危ない。鎖の輪に三本の指をかけ体を引き上げる。一挙手一投足に細心の注意を払って登る。雨はその神経をさらに鮮鋭なものに清ましてくれた。

 今まで何度か石鎚の鎖場の写真を見てきたが、鎖の下に立って驚いた。写真は二次元だから、高度感や威圧感といった感覚は、立体像でないと先入観に歪められやすい。私は石鎚の鎖場を、俗化した山の修験体験スポットというふうに見ていたから、どこか公園の遊具の延長のように捕らえていた。横に安全な巻き道があるのだから位置づけとしては幾分そうなのだが、この鎖場は結構体力的にハードで、かつ危険である。決して、お遊びで楽しむ範疇におさまってはいない。

 聞きしに勝る石鎚の鎖だった。 <つづく>





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.09.22 10:26:14
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: