misty247

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2010.06.14
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カテゴリ: 私の歩いた山と道
 山上ヶ岳では「おはようございます」や「こんにちは」の挨拶の代りに「よぅお参り」と交わしあうのが慣わしである。

 修験の格好をした方に何と言っているのですかと尋ねたら、「ここでは登る方にも降りる方にも皆同じで『よぉ、お参り』と声を掛け合うのだよ」と丁寧に教えてくれた。
 「よぉ~お参り」
 「よぅお参り」
 私もそれ以降はならって挨拶を交わした。でもまだ少し声が固かったかもしれない。「よぅ~」の母音の伸ばし方。「お参り」にこめる親しみの気持ち。年季の入った挨拶を受け取ると、自分の挨拶は音を追っているだけにすぎない気がした。


 夏の富士登山に備えて、大峰を周るトレーニング山行をしにきた。
 朝6時過ぎ、洞川温泉センターをスタートして、大橋茶屋から山上ヶ岳登山口に入った。女人結界の門をくぐる。今も女性の登山を拒む山である。
 登っていると集団に追いついた。大橋茶屋の駐車場に大型バスがとまっていたから、その集団であろう。修験の一団であった。ここの山道で会う人は殆ど修験の方で、登山目的の人は2割いるかどうか。やはりここ山上ヶ岳(大峯山とも呼ぶ)は特別な山である。



 修験の一団は、体験型ツアーなのかもしれない。というのも、白装束の正装で登っているのは先頭と末尾を行く数人のみで、多くの人は普段着だったからだ。もちろん女性はいないが、年齢は老若よく混じっていた。
 途中に2個所も茶屋がある。一本松茶屋と洞辻茶屋。普段山に登らない人がたくさん来ているから、ここでは茶屋が要るのだろう。水の入ったヤカンとコップが置いてあった。一杯いただこうかと思わず手を伸ばしかけたが、『いやいや、あれは修験の方たちの為のもの。部外者の私が飲むべきじゃない』と、すんでのところで自分を制した。
 茶屋は登山道ごとアーケードの内にあり、雨でも困らない作りになっていた。そうだ、修験は天候の選り好みをしないのだ。大木が空を飛ぶ台風の日も登り、千日回峰行を遂げた 塩沼大阿闍梨のお話 が思い出された。


 墓標と立ち枯れの混在する原っぱに出た。山頂だ。
 木立ちの間から大きな宿坊が見えた。大峰の稜線にあれだけの建造物をこしらえたことに驚かされる。
 有名な「西の覗き」があった。絶壁から吊り下げられて親孝行を誓わされる行場である。足もとにビレイの鎖があり、その向うは容易に覗きこめない絶壁だった。
 さらに奥へ行くと「大峯山龍泉寺」に山頂標のたつ「頂上お花畑」。1719.2m。一面の笹原だった。そこから「柏木」を指す標に導かれて、南へと下った。  <つづく>








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Last updated  2010.06.15 02:37:59
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