しあわせに生きよう

しあわせに生きよう

思考


思考というのは根なし草
家なき放浪者だ
あなたはそれに頭を悩ます必要はない
ただ見守るのだ
それを見ることなく見守るのだ
ただ眺めるのだ
もし彼らがやって来ればよし
何も悪く思うことはない
なぜならば
それが良くないというほんの軽い感覚でさえ
それでもうあなたは戦いを始めてしまっているからだ


いいのだ
それは自然なことだ
木々に葉っぱが生い茂るように
心には思考がやって来る
それでいい
それは完璧なまでにあるべきその姿だ
もし彼らが来なければ
それはまたビューティフルだ
あなたはただ公平な監視のままでいればいい
味方もせず
敵対もせず
慰めもせず
非難もせず
どんな判定もなしに
ただあなた自身の内に坐り
そして眺める
何を見ることもなしに眺めること
眺めれば眺めるほど
見出すものは少なくなるものだ
深く眼をやればやるほど
思考は姿を消す
分散してしまう
ひとたびこれを知ったなら
鍵はもうあなたの手中にある
そして、この鍵は最も秘密なる現象を開示する
ブッダフッドなる現象を


「空をさまよう雲には
根もなくまた家もなし
分別の思いの
心を漂いよぎるもまたしかり
ひとたび「自性心」の見らるることあらば
識別は止まん」 


一度、漂っているのは思考であり
あなた自身は思考ではなく
思考が漂っている空間そのものであるということがわかれば
あなたはすでにあなたの「自性心」に到達している
あなたはあなたの意識という現象を理解したことになるのだ
そのとき識別は停止する
そのとき善なるものは何もなく
悪なるものは何もない
そのときあらゆる欲望はあとかたもなく消え失せる
なぜならば
もしそこに善も悪も何もなかったら
欲せられるものも避けられるものも何もない
あなたはすべてを受け容れる
「ゆったりと自然」になるのだ
あなたはただ存在とともに漂いはじめる
どこへ行くでもなく・・・
目的地などないのだから
どんな的(まと)に向かうでもなく・・・
的などどこにもないのだから


そうすればあなたは
ありとあらゆる瞬間を
それが何ももたらすかにかかわらず
楽しむことができるようになる
何であれだよ
覚えておきなさい


それを楽しむことができるのだ
いまやあなたは、どんな欲望も期待もなく
どんなものを求めてもいないのだから
そこで、与えられるものが何であれ
あなたはそれに感謝を感ずる
ただ坐って息をしているだけのことが
本当にビューティフルで
ただここに在るだけのことが
本当に素晴らしく
生のあらゆる瞬間がマジカルなものとなる
それ自体でひとつの奇跡となる



                   存在の詩  和尚


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