長女が誕生するまで 2



『子供を作ってもいい』
私のその一言で、子作りが始まった。

その結果1ヵ月後の生理が来ない・…
市販の妊娠判定薬で調べてみる・・…

・……ビンゴ~~~~!!!

驚きのあまり、彼に電話をして
『妊娠したよ!』
と、告げると
『えええええ!!!ほ、本当??』
電話口で、かなりの動揺の彼の声。

私は、彼にこう言った。
『明日仕事が終わったら、病院に
行って調べてもらう。』
私が話し掛けても、彼はうわの空で
『そうか~~~。出来たか~~~』
ただ、そう話していた。

翌日、仕事の帰り病院へ。
生まれて始めての産婦人科・・…
少し緊張しながら受付へ。

『しいたろさん、診察室へお入りください』
看護婦に言われるがまま、診察室に
入り問診、内診、尿検査のフルコース
を受けまた診察室へ・…

医者は私の顔を見てこう言った。
『一応、妊娠反応は出てます』
き・・きた~~~~!
私がボーっとしていると医者はこう私に言った。
『しいたろさんはまだ結婚されて
無いですよね?』

『はい…まぁ・…?』

『お産みになるかは、本人次第なんで
何とも言いませんが、もしおろされるなら
早い方がいいですよ。』

一瞬、自分の耳を疑ってしまった。

【おろす?】

私は返事もろくにせず病院を後にした・…

【普通はまず『おめでとうございます』じゃないの?】

もんもんとしながら帰宅の路につく私。

『おかえり。どうだった?赤ちゃん!』
彼は心待ちにしていた様で、
高揚した面持ちで私を出迎えてくれた。

『うん。妊娠してるだろうって……
でも・…!!!!!う!!っぅぅぅぅ!!』

『うえええええええ!!!!!!』

そう、初めて私は彼の前で
吐いてしまったのだ。
いわゆる、『つわり』の始まりである。

私の吐く姿を目の前で見た彼は、
どうしていいか分からず、
オロオロし、
私はそんなのそっちのけで、
ゲーゲー吐いてる・……

吐きながら、
【あ~~~。もう病院で言われた
事なんてどうでもいいや・・…】

病院でのブルーな出来事は
ゲロと共にティッシュで拭き取られて
いったのであった・・…




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