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2007.04.23

『がんばらない子育てのコツ～あとは神様がやってくださる！～』

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テーマ：子育て現在進行形(1980)

カテゴリ：おぼえがき

『がんばらない子育てのコツ～あとは神様がやってくださる！～』
ジョン・グレイ著

某所で紹介されていて面白そうだったので、久しぶりに育児書を読みました。子どももそこそこ大きくなってくると病気以外で育児書って読まなくなりますね～。
この本は３歳以上10代ぐらいの子を持ち『子どもに怒鳴って言うことを聞かせたい訳じゃない、だけど怒らないで子どもに説明するように言ってもやっぱり子どもは言うことを聞かない。いったいどうすればいいの？』という現代の子育て真っ最中の両親がターゲットです。ちょっとそそられるでしょう？(笑)

内容は『５つのメッセージ』を挙げ、その具体的な実行方法を子どものタイプに沿ってシュミレーションしています。
『５つのメッセージ』とは

２．過ちを犯してかまわない
３．マイナス感情を表に出してもかまわない
４．今以上のものを欲しがってもかまわない
５．「いやだ」と言ってもかまわない。
　　ただし決定権はママとパパにあることを忘れてはならない。

というもの。これを子どもに伝え、子どもに「服従」ではなく「協調」を求めていきましょう、というのが著者のいう『現代的で前向きな子育て』という訳です。

１・２・３あたりまではよく聞く話だと思ったんだけど、４の 「今以上のものを欲しがってもかまわない」 はけっこう面白い。特に女の子には重要なんだそうで、「なんでも欲しがるのはよくない。今あるものに感謝しなさい」と欲しがることを悪として育つと、女性は『直接求める代わりに相手に与えることでお返しが返ってくることを期待する』。これ、夫婦間でもありますよね～。（私はこんなにしてあげてるのに彼はちっとも気づかない！）と不満をつのらせる女性の話はけっこうよく聞く。『欲しいことを求める技能』はきちんと教えないといけないことなんですね。

他に参考になったなぁと思ったのは、
なにかを頼むときに「…できる？」と言わない
「おしゃべりを止めてベッドへ行ける？」という場合、出来ることを前提に言っているわけだから暗に「優しく言ってる間に言うことを聞いた方がいいわよ」というような恐喝的なメッセージが含まれてしまう。本当に可能かどうか聞いているとき以外は「おしゃべりを止めてベッドへ行ってちょうだい」で十分。

なにかを頼むときに遠回しに言わない。率直に言う。
「この部屋を片づけてちょうだい」という代わりに「この部屋はどうしてこんなに汚いの？」と言うのは子どもに羞恥心と罪悪感を感じさせるだけ。率直になる、というのは母親が身につけるべき技能で、特に小さな男の子に対しては重要。
（男性なら女性の「遠回しなお願い」に悩まされたことは一度は必ずあるでしょう、とか書いてるよ（笑）、ドキ～）

感情を利用しない
「そんなことしたらお母さん悲しいわ」と言った訴え方をしない。子どもが「僕悲しかったの」といった場合、共感することは大事だけど親の感情を利用して子どもの行動を促そうとすると子どもに過剰な責任を負わせすぎてしまう。その結果、「親をがっかりさせてしまった」と罪悪感を持たせることになる。

このへんの話はコーチング・テクニックの一種だと思うんだけど、親子関係というのは「対等ではない」関係なわけで、子どもは「理解され、正しく強く導かれることを望む」という前提で、お互いに理解しやすい（誤解しにくい）コミュニケーションテクニック、という感じ。

あと面白かったのが、男の子は「信頼」をより必要とし、女の子は「気遣い」を多く求める、という話。
「信頼」とは子どもが過ちから学んでいくこと、たとえそう見えなくても子どもが全力を尽くしていると信じる心。これによって子どもはのびのびと自由な空間を得る。一方、「気遣い」は子どものそばにいて、理解しようと思う気持ち。子どもに面と向かって示す愛情のこと。

たとえば母親が過剰に息子の世話を焼きすぎると「僕は信頼されていない」と感じるようになる。父親が娘を信頼しすぎて手を貸さないと娘は「愛されていない」と感じる。自由な空間をあたえられすぎると女の子は親から見放されたような気がして傷つくが、男の子は親が自分の能力を信頼し、認められていると感じることで強くなる。

これって「女の子はほっといてもちゃんと育つけど、男の子は手が掛かる～！」ってよく言うけど、ホントは男の子は放置気味で女の子は可愛がり気味のほうが安定するってことなのかしら…。

この本、男の子と女の子の差や父親と母親の違いについてといった記述がめっぽう面白いんだけど、調べてみるとこの著者は心理学者で恋愛指南書系の本でベストセラー作家でもあるんだよね。ん～確かにナットク。他にも「そうそう～」という話が多くて、ちょっと他の本も読んでみたくなりました。