山田詠美


book-a【水青の読んだ本たち★山田詠美】book-a


★メイク・ミー・シック★山田詠美★









「若い男の子たち、フアッションにうんと気を使うのなら、

中身も格好良くしなきゃ駄目だよ。

中身の格好良さというのは、ウイスキーの

種類を飲んだだけで当てられることでも、

哀愁を漂わせて、バーのカウンターに座ることでもない。

そんなことは年齢を重ねて行かないと、身に付かないものなんだからね。

私が言いたいのは、自分のセルフイメージに美意識を

持ちなさいってこと。何が格好良くて、何が格好悪いのかを、

相対的でなく絶対的な価値観で見極めなさいってことなのだ」（本文より）

魅力的な不作法から始まる恋、ニューヨークでの感激シーンなど
やわらかい心で見極めたAMY STYLE。
ニューヨーク＆TOKYOプライベイト・フォト70点収録。
上等な女を知るエッセイ集。

【目次】

★おふくろの味なんて★魅力的な不作法★イメージの欠如★

★瞳の効用★作為の弊害★両性具有の常識★

★外来日本情緒★感情の表面張力★マンハッタン夜遊びの不便

★ホテルザ・ロイヤルトンの悲劇★クローゼットフリークの驚異★

★いいこと良い家の差異★決して死滅しない死語★昼酒の誘惑★

★夜の準備★客観用鏡★退廃の規則★特別な、その日の作法★

ダンディズムの根拠★家族の作成★年月の魔法★観光客の観察眼★

★お祭りの時間帯★溜息を押し出すもの★スタイルへの努力★・・他

婚約者とのツーショットなど詠美さんの写真が満載♪

気軽に読める楽しいエッセイ集だった(*’-’*)






★120％COOOL　★　山田　詠美　★










「最近、幸福と不幸について良く考える。

物理的に不幸な事件が、世の中には、いくつも

転がっていて人々を悩ませるがその渦中にいる本人が、

本当に不幸かどうかは第三者には解らない。

幸福もまた同じだ。人も羨むような幸福な境遇にいながら

そうでない人もいる。これも第三者には解らない。

人の心が作り出す、この二つの感覚を解明すること

これに、私は凝っている。

さらに私がとりこになっているのは、人の居場所に

ついて考えることだ・・・・・」とあとがきに記している

100%の完璧な快楽では、愛という陳腐な言葉が入り込む。

それを打ち消すには、もう20%を必要とする。

山田詠美が新しく書いた、9つの愛の真理とは?（゜_。）?


　“僕の妻の唇は青虫である・・・・”と始まる

★唇から蝶

★彼女の等式

“彼女はいつも何かと何かをイコールで結びつける

　癖がある・・・彼女が唯一、等式を使わないのは彼とのことだけ・・・

彼の待つ部屋に帰るのがいつでも楽しくて　たまらないのだ・・」

★待ち伏せ

★ガリレオの餌

ハードボイルド小説の作家木島が風変りな若い女性に

心奪われる姿を彼のアシスタント山川健太郎（25歳）の　

目を通してクールに語る・・・

★NEWSPAPER

　｢男の女の間に存在する嘘が、その恋に役立つことなど

あるのだろうか。賢い人は相手を傷つけないためにつく嘘もあるという。

はたして本当にそうだろうか。私に関して言えば、嘘は破局をせき止める

一時しのぎの堤防にしか過ぎない。

つまり、やがてはその堤防は崩れて関係は土砂の中に埋まり、

二人は水に溺れて息を詰まらせるということだ・・

　　嘘を存在させないためには、尋ねないこと、そしてこたえないこと。｣

　　“あなたと一緒にいる時間の空気の色、肌触り、匂いや味、

　そいうものが好き。すべてが違ってみえると驚くことが好き”

“どうしてだろう、ぼくもそうだ”　・・・

“馬鹿ねそれを恋って呼ぶのよ”
　　（夫との関係が破綻した私と年下の彼との会話・・）

★雨の化石

｢感傷に浸るのは、大人の男のすることではないなあと、

　ぼくは思うのだ。だから、ぼくは自分の心の内に生まれる

　甘いしずくのような思いを人に伝えることはない・・・｣

★DIET COKE

｢恋を失う寸前が、私には解る。

何故なら、その時、私の耳が決まって痛くなるからだ・・・｣

　　優子と良樹との出会い方がユニークで面白い♪

★R

　｢RとXの違いはなんなの？｣

★120%COOOL

｢２月の終わり・・・

私・・アニーは１ヶ月もニューヨークに滞在している・・・

　ただ散歩、ただ飲んだくれ、ただセックス、そしてまだ

お金になっていない小説を少しだけ書き、そして、

その紙を丸めて捨てる。私が、ここでしているのは、それだけだ。

こういうふうに漠然と日々を過ごすことを無意味と人は呼ぶ。

でも、本当の意味のあることなんてこの世に存在するだろうか・・・・｣

　　そんなアニーはカミカゼと知り合い、彼を通して、フランス人の

黒人パスカルとサックス奏者のルークと友達になり４人で

行動するようになる・・・

カミカゼは短く刈られた髪・・赤みを帯びた清潔な耳・・

優しい目をしてユーモアに満ちていてクール♪

　　彼が言う・・・“はたから見ても、完璧にクールな奴を

ワンハンドレッドクールと呼ぶんだ

　“１００％クール？”うん、そいつはそのままクールなんだ。でも

それじゃ、そのクールさはそいつの大きさにしか過ぎない・・

その大きさを越えた時にクールは人間を支配するのさ、

ぼくはワンハンドレッドトウェニィパセントのクールに支配されたい”

“１２０％クールネ。”

クールの意味はもちろん日本で使う場合と少し違う。

ジャズ用語で少しすたれかけている言葉だけに今、使うと格好良い。”

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詠美さんの小説を読んでいていつもドキドキさせられるのは、

私の知らない世界を沢山，知っていて独自の素敵な言葉が

小説のあらゆる箇所に散りばめられているからのなのだと思う。

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★　A２Z　エイ・トウ・ズィ　★　山田詠美★








「私たち、同じ分量の夜と昼。男の部屋に通い始めることは、

記憶に新たなマップを刻むこと。編集者夏美と郵便局員成生の、

とびっきりの恋物語が今始まった・・

文芸編集者澤野夏美の勤める会社の向い側にある小さな郵便局

お仕着せの制服でうつむく成生と目が合った瞬間・・・

恋人の存在を打ち明ける夫一浩への複雑な思い、

夏美に心を寄せる新人作家永山翔平との仕事への情熱、

たった26文字にこめられた、大人の恋の全て」

愛情も嫉妬もサッパリと描かれていて心地良い

大人の男と女の素敵なストーリー(*’-’*)

主人公、夏美の気持ちが痛いほど伝わってくる・・・

こんな恋愛があってもイイのでは？と

共感する部分がたくさんあった(*’-’*)

私の“成生”何処かにいるのかナ　?(゜_。)?







★　４　U　（ヨンユー）　★　山　田　詠　美　★









久々に山　田　詠　美さんの小説を読んだ♪

タイトルに惹かれ思わず買っていたのに読む暇がなかった・・・
（４Uって、FOR　YOU（フォーユー）のことなの♪）

昨夜から読み始めていたので少し前に読み終えた(*’-’*)

「恋のケミストリー（化学反応）で出来上がった薬品で

あなたの息を幸福に詰まらせてみせる」

“ライフ　イズ　ヴェリィ　ショート。

かなわない想いなんて大嫌い。”

誰かに試したい、９つの恋の特効薬を収めた小説集。

『人生（ライフ）に対して、いかに尻軽でいられるか。

必要な香辛料は、何と何？』　　山田　詠美

☆彡「4U」

男が長いことつかっていたバスタブの湯は、はたして、スープか？

毒きのこを食べに長野に出かけたマル、

彼への桐子の暖かな想いが伝わってくる・・・

☆彡「眠りの材料」

作家、めぐみにある日、会って話がしたいとケンから

15年振りにＴｅｌがかかって来た。

一緒に暮らしていたことのある少女、史子が

彼女と彼に白紙の遺書を残して死んだという・・・

☆彡「天国の右の手」

彼が私を愛し始めた時、私には既に右手がなかった。

そして、私が彼を愛し始めた時、彼は既に結婚していた。

右手のない渚子、彼女の義兄への激しい想いと、

熾烈な自己愛を描いた作品。

（この小説は「贅沢な恋人たち」にも収録されている）

☆彡「ファミリー・アフェア」

☆彡「血止め草式」

☆彡「男に向かない職業」

☆彡高貴な腐食

☆彡紅差し指

☆彡メサイアのレシピ

どの短編小説も詠美さんの素敵な感性と素敵な言葉が詰まっていて

ドキッ！としたり・・なるほど（*’-’*）と思ったり、刺激的な一冊だった。









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