もののおもい




24時間 寝ている時も、起きているときも。
君がずっとそばにいてくれるんだったらどんなに素敵なことだろう。




なんとなくした胸騒ぎにホロホロは布団の中から起き出した。
そしたら右腕に少し重みを感じて。
右を向いてみると、そこには

蓮がいて。


自分の脈が速くなっているのが手に取るようにわかった。
『ま、まぁ チームメイトなんだから一緒に寝ててもおかしくねーんだろうけど…』
隣には寝息をたてる少年。
それはまるで可憐な花のようで。
『これはな ぁ…』
頭をかかえた。


しばらくして。


キスぐらいいいよな、と。
ホロホロが蓮の唇に触れようとした瞬間。
「    …ぅ」
寝言を蓮が呟く。
そのことに一瞬驚いたが、『可愛いなぁ』と。
今度はその言葉を聞いてやろうと耳を近づけた。


止めておけば、なんて失敗してからしかわからない。


『葉』
蓮は、そんな言葉を囁いた。
夢の中でさえ、あいつの事しか見えていないのか。
今一番お前の傍にいるのは俺なのに。
何で見てくれないんだ。
なぁ、どうして?何で?
疑問しかうかばねぇよ。


窓からは綺麗な月明かり。
それも今のホロホロには寂しさしか伝わらない。


そしてホロホロは部屋を後にした。


                               End




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