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『私は付き合っている人がいても、例え結婚して旦那がいても、
            それでもずっとあなたを一番好きでいます。』




私と、俺の関係はいつから始まっただろうか。
まさか死んだ双子の兄が自分に憑くなんて思わなかった。
不思議なモノだった。

にぃはつい先日死んだ。
海で人を助けて自分は犠牲にならなかったらしい。
その知らせを耳にしたのは朝で、私は風邪をひいて休んでいた二泊三日救水泳教室で起こった。
泪は出なかった。
人の死の意味を、私はまだわからないでいた。
両親は何事もないように仕事に出た。
私たちは、まだ、12になったばかりだった。
そんなわけで、にぃは、死んだはずなのに。
その日、朝起きた時から今も尚、私のとなりに並んでいる。

ずっと、ずっと昔から。
海などの水辺が大好きだった。
人も好きだった。
泳ぐのも苦手ではない。
だから、そんな海で人のために死ぬなんて悪くないと思った。
どうせ親も何とも思わないと思った。
ただ、双子の妹の存在が気になった。
死を感じた時、気になって。
視野が消えて、死を直感して、次に目を開けたら、自分は妹のとなりに立っていた。




目を開けたらもう一人の自分がいて。
何も言えずに夢見心地。
これからの、崩れた生活に泣くことなど知りもせずに。



あとがき
 続きます。
 双子の名前、まだ決めていないんで募集中です。



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