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安全投資のススメ(4)
安全投資のススメ(4)~つぶれない会社に投資しよう~
今回は、(1)投資対象(銘柄)の話をしようと思います。
moneytree7が投資を始めた2000年春は、ITバブルの真っ只中でした。
で、シャープの株を買ったのですが、下げがきつくて結局損切りしてしまいました。
しかし、この記事を書いている2006年時点、シャープはその時期の株価を越えています。
その他松下電器や東芝などといった企業も、結局同じような経過をたどりました。
(下げてもいずれ戻ってきた!)
また、みなさんご存知のように住友金属工業という会社も一時期経営が危ぶまれて
株価43円(だったかな?)まで行きました。
しかしその後復活して今年は一時500円を付けるまでになったわけです。
(つまりこんなオールドエコノミー株でも、つぶれなければテンバガー(10倍株)になった!)
何がいいたいかというと、つぶれない会社の株価は必ず戻ってくる。
つぶれない会社の株式を安値で買えれば、成長株でなくても十分儲けることは可能だ、
ということなのです。
で、その際、投資家が戦わないといけないのは、「恐怖心」です。
下げがきつい場面では、とにかく売りあおりオンパレードになります。
業績も下降しますがそれにつれて、「この会社はつぶれる。早く売らないと紙切れになる」と
いう脅し文句がそこら中で叫ばれ、これに打ち克つには並大抵ではありません。
このような状況の中、堂々と株式を買い増すことができれば、
大きなゲインを得られ、投資家冥利に尽きるというものでしょう。
しかし、本当につぶれてしまったら、全額を一挙に失うことになり、退場と
いうことになってしまいます。
ですので、この会社はつぶれることはない、という会社に投資すべきなのです。
ちょっと前置きが長くなりましたが、これから本題に入りますね。(^^;
まず、会社が倒産、または上場廃止するのはどういう時でしょうか。
1)債務超過となり、首が回らなくなる。(借金が返せなくなる)
2)業績はよい(表面上は)が、短期の負債(買掛金・借金)を返すキャッシュが
一時的にショート、不渡りを出しての突然死
3)経営者が逮捕。上場廃止。
この3パターンです。
まずは1)債務超過ですが、このような状態にならない会社とはどんな会社でしょうか?
1)債務超過とはどういう状態か、というと、BSの左の資産欄が少なくなり、負債の欄よりも
小さくなる状態です。つまり、株主資本をすべて食いつぶしても、負債が返せない状態を指します。
負債が返せないということは契約を履行できない=破産申請して出直し、ということですね。
=================================(わき道)
ちょっとわき道ですが、
この場合、たいていは第3者割り当て増資などを行い、資本欄に新たな資金を注入して、
なんとか債務超過状態を回避しようとします。(最近では、三洋電機、JALなどがこのパターン)
これは、株主の一株の価値が希薄化される(保有資産は変わらないのに、新たに株券を
発行するわけですから、既存株主の株式の価値は下がる)わけですね。
こうなったら、つぶれなくてもかなり投資対象としては厳しい状態です。
moneytree7は少なくともこういう会社の株式には投資しません。
またこういうことを繰り返すのではないか?と思えるからです。
=================================
1)の状態を回避する投資対象のチェックとしては、
有利子負債の量、
株主持分比率(自己資本比率)をチェック
することになります。
まずは、有利子負債0かまたは非常に少ない会社。これは間違いなく大丈夫ですね。
経営者も、借金がとても嫌いなので、将来的にも負債を負うようなことは
あまり行いません。(無理な借金での大々的な多角化・規模拡大は行わない。手堅い経営)
次善の策としては、株主持分比率が高い会社を選ぶことです。例えば50%以上。
株主持分比率が高いということは、総資産に占める資本の割合が高いということですから、
もし赤字・赤字が続いたときでも、なんとか自己資本を食いつぶしていくことで生き延びる
可能性が高くなります。
逆に株主持分比率が少ないと、少し赤字が続くと、借金(負債)に押しつぶされてしまいます。
どれくらいの株主持分比率があれば大丈夫か?というのは非常に難しいテーマであり、
どういうのが絶対、というのは無いわけですが、赤字の連続に耐えられる体力、という意味では
50%くらいあれば大体大丈夫かな?というのがmoneytree7の感覚です。
(いままで倒産会社をツモったことはありません(^^;)
2)資金のショート、突然死対策。
企業の財務諸表(バランスシート、損益計算書)のベースとなる会計や経理処理では、
”現金主義”ではなくて”発生主義”によって収益・費用をカウントしています。
”発生主義”って何?ということなんですが、品物を販売して、実際に現金が入ってくるのは後払いでも、
”売った(=商品を引き渡した)”瞬間に売り上げを上げてしまおう(事象が発生したときにカウントする)と
いう方法です。
したがって、企業のバランスシート・損益計算書は、正確には現金ベースでの儲けを表していません。
掛売り(現金後払いで販売)していて、債権は持っていても、実際に回収してみようとすると
踏み倒された、ということもあるわけです。(債権回収先が倒産、という場合もあります。)
したがって、売掛金が多い場合は、現金回収が滞ると実際には儲かっているんだけれども
(つまり、自己資本も順調に増えて行ってるんだけれども)、ふたを開けてみれば、借金を
踏み倒されて、いきなりピンチ、となることもあるわけですね。
==================================(再び、わき道)
こういうことがあるので、近年では、「キャッシュフロー計算書」の提出が義務付けられるようになりました。
キャッシュフロー計算書というのは何かというと、大雑把にいうとバランスシートの
資産欄の最上位に位置する、現金(および、すぐに現金化できる現金同等物)の保有量が
どのように推移しているか(減っているのか、増えているのか?)を示すものです。
キャッシュフロー計算書では、”発生主義”に対して、”現金主義”で計算されています。
現金主義では、現金が入金された、出金された、というのをベースにカウントするわけです。
このことによって、現在のキャッシュの出入り、保有量を把握するわけです。
(銀行の通帳のような感じですね(^^;
家庭において、実際の電力の使用は先にやっている(発生主義だとここでカウント)んだけれども
現金が引き落とされるのは後であり、通帳には、実際に電力会社からの引落しがあったときに記帳される。)
==================================
で、何を見るかというと、ここもいろいろな方法があるのですが、一つは、
保有現金が少ない、という企業はちょっと苦しい、ということです。
バランスシートの現金欄(あるいは、四季報の現金同等物の欄)を見ましょう。
この金額が、有利子負債の量を超えていたら、またバランスシート上の買掛金の
金額を超えていたら、ある程度大丈夫と判断できます。
しかし、この内容は、市況が悪化してくると悪化してくる場合があり、
これにとらわれるとかえって判断を誤る(自分を追い込んで投げてしまう
原因になる)場合があります。
投資先企業の現金保有がめちゃくちゃ悪化してきた・・という場合は
撤退も含めて考えることが必要になってきますが、ちょっとの変化程度では
あまり気にしないほうがよいのも確かです。
とはいえ、現金が毎期増えて行ってる企業は、投資対象として安全です。
そして、少しくらいの変動の場合は、そのデータにあまり振り回されないように
することも大切です。
3)経営者が逮捕。の対策
これは、完全に定性的な判断しかないと思います。
新聞などをチェックして、自分の目で判断しましょう。
IRでの投資家説明会の映像などを見て判断するのも手だと思います。
今回は、これくらいにします。
少し不完全燃焼気味なのですが(書いてみてわかったのですがmoneytree7はかなり定性的な判断も下しているし、
企業ごとに、みるポイントを変えているようです。それを説明するのは大変困難・・)、
実際このテーマは難しく、チェックポイントも人によりさまざまですが、(流動比率を見ろとか
当座比率を見ろとか、棚卸資産回転率チェックとか、フリーキャッシュフローチェックとか、とかとかとか・・)
どれも完全ではありません。いずれも大体の目安ということになります。
しかしながらmoneytree7が最も重視している指標は、「自己資本比率」+キャッシュフローの
向き(現金が増えているか)であることは確かです。
また定性的には、あまり冒険心に富む経営というより、堅実経営を志向する会社に投資する、
ということがリスクは少ないといえると思います。
こういうあたりを調べて意識しておけば、大体そんなに心配することはないと思います。
(よっぽど酷い企業や攻撃的な企業、若い企業でないと、なかなかつぶれたりするものではありません)
明確な論旨にならずに申し訳ありませんが、少しはイメージがつかめたとしたら幸いです。
(※後日このページについては、大幅加筆修正を施す可能性があります。)
では、また次回。
>次へ
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