土曜日の書斎 別室

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アンネの日記

【土曜日の書斎】  名作断章




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(ジョージ ・ スティーブンス監督作品 『アンネの日記』 )

  独軍占領下のオランダ ・ アムステルダム市内・・・。

  迫害から逃れ、 プリンセン運河沿いの隠れ家に身を潜めていた フランク家 ファン ・ ペルス家 の二家族。 それに中年歯科医師。
  八名のユダヤ系市民は、 是の日・・・1944年8月4日。
  独秘密警察によって逮捕 ・ 連行される。
  その前途には、 言語を絶する悲惨な収容所生活が待ち受けていた。



アンネの日記

(1944年8月4日)






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  二年余に及んだ潜伏生活の様子を、 フランク家の次女 アンネ は克明に記録していた。
  満13歳から15歳にかけて、 瑞々しい感性で綴られた日記には、 閉塞的状況下でも決して希望を見失わず、 人間の善性を信じ、 未来を信じ続ける、 多感な少女が息づいている。

  戦後、 収容所から唯一人生還した父親 オットー は、 その遺稿を整理し、 『アンネの日記』 として上梓。
  貴重な時代の証言として、 胸を打つ青春の記録として、 広く後世に伝わる事となる。


・・・わたしには、 混乱と、 惨禍と、 死という土台の上に、 希望を築くことはできません。
  この世界が徐々に荒廃した原野と化してゆくのを、 わたしはまのあたりに見ています。
  つねに雷鳴が近づいてくるのを、 わたしたちをも滅ぼし去るだろういかずちの接近を耳にしています。
  幾百万の人びとの苦しみをも感じることができます。
  でも、 それでいてなお、 顔をあげて天を仰ぎみるとき、 わたしは思うのです――いつかはすべてが正常に復し、 いまのこういう非道な出来事にも終止符が打たれて、 平和な、 静かな世界がもどってくるだろう、 と。
  それまでは、 なんとか理想を保ちつづけなくてはなりません。
  だってひょっとすろと、 ほんとにそれらを実現できる日がやってくるかもしれないんですから。 ・・・


(深町眞理子訳 『アンネの日記』 ’44年7月15日の記述から)










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