★Latchkey Child★

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堕天使


悪魔と天使のどちらがスキ?と昔聞かれた。

大好きなあの人に。

ワタシは、ひねくれた質問で返した「堕天使が好き」と。

堕天使は、ワタシの姿だった。

教会のステンドグラスの下、何度も祈った。

あなたがワタシを愛してくれますようにと。

神様は、そのお願いは聞いてくれなかった。

やっぱり、堕天使のお願いは天使の王様にはきいてもらえないんだろうな。

そう想った。

いつか、このステンドグラスの中にいる天使になりたいと想っても。

きっと、それすら叶わない。

だって、ワタシは堕天使。

一度は、このステンドグラスから抜け出た身。

ステンドグラスにかえれる日はくるのかな?

みんなが、神様をかこって楽しそうに喋ってる。笑ってる。

そんなステンドグラスをまぶしそうに見上げた。

・・・閉ざされた世界。

そんな風にしかおもえなかった。

だから、禁忌をおかして出てきた。

・・・あぁ・・・・この世界は・・・・

あったかいんだな・・・・。

息もすえる、飛べないけれど、きちんと歩ける。

そして、愛する人をさがしだせる。

神様が、選んだ人ではない。ワタシの意思で愛する人を。

だから、ワタシはこの世界で満足です。

もう帰ることはできないその世界を。

ワタシは、あとにした。

まぶしい昼の太陽が、ワタシにささやいた。

「さぁ、でかけよう」

こんな堕天使を、愛してくれる人を・・・・。


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