ほら、ここにいる

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ヒルルクの桜…ONE PEACEより




結構「?」なところで泣いてしまうんですが…最近の中ではタイトルにも持ってきた「ヒルルクの桜」が一番でしょうか。「ONE PEACE」の15巻~17巻のお話ですね。現在レギュラーのトナカイのチョッパーが登場する話なんですが…

この「ヒルルクの桜」から「アラバスタ」のあたりのストーリーは「ONE PEACE」の中でも一番のお気に入りです。

主要登場人物に一般常識を持つ人がほとんどいないという(笑)キャラクター設定。つまり、個別のストーリーのメインに配されるキャラクターの「常識の檻」や「思い込みの限界」を主人公達が破壊していく。
主人公達の考え方の中には「限界」というものがありません。またすごいものをすごいと認める素直さ。そして、中島みゆきの歌ではありませんが、「戦うものたちを笑う」事は決してない事。真剣に物事に取り組む人たちを笑ったりはしないのです。

「ヒルルクの桜」はエンターテイメントの極意を伝えます。生活に役立つわけでもなければ、生きていくのに必要というわけでもない。しかし、人々の心をゆらすもの。幸せな気持ちにつながるもの。そういったものの大切さが「桜」に象徴されています。どんなにきびしい状況にあっても笑顔や喜びは忘れてはいけない。楽しいという気持ちをなくしてはいけない。人の気持ちを前に進めるのは、背中から押すのはそういった「気持ち」であるはずです。
確かに「気持ち」だけでは何にもできません。愛だけでは生活できないように。しかし、前へ向かう気持ちが萎えたら、時計は進んでも自分は進んでいかなくなってしまう。

「ONE PEACE」は善対悪の図式でストーリーが進む少年漫画です。「強い悪いやつ」を倒すのは主人公たちの役目です。
ただ、この15巻あたりから始まるアラバスタ編では、人々のしあわせを自分のできることや立場の中から願う人々が多く登場します。そして主人公達はその人々を助け励まし、そして楽しくさせて進んでいきます。
その普通の人々たちが真剣に一生懸命に生きる姿。ここには子どもに読ませたいマンガがあります。


平和とは、一握りのヒーローが作ったり維持できるものではありません。一握りの人たちが破壊を行う事は可能ですが。
主人公のルフィたちは、事が終わったら次の場所へ向かいます。彼らは自分達に平和を維持する力のない事を知っている。戦う事は出来ても、戦わない日々を維持するすべをしらない。その事をよくわかっている。


ヒルルクの桜。次に向かって走り出すラストシーン。残る普通の人々。平和を祈るように舞う桜。



第一回はたまたまジャンプで読んだので覚えています。
これほど長く続くマンガになるとはおもいませんでしたね。(^^)


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