2024/01/07
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カテゴリ: 醸造所訪問

FIO Wines とケッテルンのラインナップ

FIO Wines はケッテルン家とニーポート家とのコラボレーションで、 2012 年から始まったプロジェクトだ。ナチュラル寄りのワインで、低アルコール濃度と醸造に極力介入しないミニマル・インターヴェンション、最長 5 年間におよぶ長期の澱の上での熟成と、瓶詰前まで亜硫酸無添加もしくは微量添加が本筋のワイン。醸造過程で瓶詰前の一回だけ亜硫酸を添加するという生産者は、ドイツでは例外的だ。


FIO のほかに Rätselhaft, Socalcos, Ururabo, Teppo (Tempo のポルトガル語で、 Tempo はドイツではポケットティッシュの商標登録済のため ), CabiSEHRnett, Falkenberg, Godtr öpchen がある。この他にもペットナットの Piu piu 、赤ワインのように果皮と一緒に発酵するオレンジワイン( Jojo Glou Glou )、ステンレスタンクと木樽で 9 カ月と比較的短い熟成期間で仕上げた Fabelhaft や、そのノンアルコール版もあってヴァリエーションが豊富で、いささかややこしい。個人的には畑名入りのフラッグシップ 2 種以外は、 3 種類程度に絞っても良いように思う。

FIO Wines の影になっている感があるが、フィリップが 5 代目として継いだローター・ケッテルン醸造所も健在だ。生産量は年にもよるけれど、若干 FIO Wines が上回っているという。畑面積はピースポート村の 6.5ha Goldtr öpchen, Günterslay , Falkenberg) とライヴェン村の Josefsberg (Leiwener Laurentiuslay の区画名 ) を近年 5.5ha 購入した。


ピースポートのブドウ畑地図(Deutsches Weininstitut  Deutsches Weininstitut: Regionenkarte des Deutschen Weininstituts (deutscheweine.de))

ケッテルンのワインの味わいは、 FIO Wines とそれほど違わない。昔からのモーゼルファン向けだと言うけれども、 FIO もケッテルンもミネラル感が前に出ていて、ボディにやや厚みがあるがアルコール濃度は低く、乳酸発酵と熟成を経て柔らかくなった酸味が果実味を下支えしている。瓶詰まで亜硫酸を添加せずに澱の上で長期間熟成するため酵母のトーンが若干感じられ、様々な要素がまとまっている。

個人的に最も印象的だったのは Ururabo という、産膜酵母とともに 2 年間樽熟成して瓶詰したワインで、軽く繊細でとりわけ精緻で、ほっそりとして美しかった。同名のワインをドウロのニーポートが地場品種ゴーヴェイオで醸造している。

(つづく)






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Last updated  2024/01/08 09:25:56 AM
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李斯。@ お久しぶりです。 御無沙汰しております。 何時も拝見してい…
pfaelzerwein@ Re:ひさびさのドイツ・その64(04/05) 「ムスカテラー辛口」は私も買おうかと思…
mosel2002 @ Re[1]:ひさびさのドイツ・その54(03/14) pfaelzerweinさん >私の印象では2013年…
pfaelzerwein@ Re:ひさびさのドイツ・その54(03/14) 私の印象では2013年からは上の設備を上手…

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