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ミュンスター渓谷の街道を抜け、ようやくワイン畑が見張らせる平野部に出てきました。これから向かう先は、シュタウフェン(Staufen)という人口8000人弱の小さな町です。シュタウフェンの町の背後には小高い山があり、その山の斜面を利用してぶどうが栽培されています。その山の頂には、外壁のみを残すシュタウフェン廃城が建っていて、これが町のシンボルとなっているようです。
シュタウフェン市庁舎 噴水で遊ぶ子供達
シュタウフェンの町は、観光名所と言うより、庶民的で家庭的な集落と言ったほうがしっくりきます。もちろん、観光客の姿もちらほら見られますが、彼らはこの庶民的な雰囲気を楽しむために、この町を訪れるのだろうと思います。中心街の規模も小さく、数10分あれば町散策が十分にできます。
さて、こんな小さな町が有名なのは、確かな理由があります。それは、ヨハン・ドクトル・ファウスト博士が亡くなった場所だからです。「ファウスト博士」と言う名を聞いて、ピンと来た人も多いと思いますが、まさに彼こそがドイツを代表する文豪ゲーテの作品「ファウスト」のモデルになった人物なのです。
カラフルな家が印象的 悪魔に魂を奪われたファウスト
ファウスト博士は謎の多い人生を歩んでいて、彼の職業は占星術師であり、また錬金術師でもありました。彼の怪しい職務内容から、いつの間にやら彼は「黒魔術師」であるという噂が出てきました。晩年彼は、シュタウフェン市庁舎のすぐ近くにある「Hotel zum Löwen」と言うホテルで、錬金術の実験を行っていたようです。
ファウストが亡くなったホテル 山の上の廃城
1540年、錬金術の実験中に大爆発を起こしてしまい、彼の肉体はばらばらになったと言われています。このことが伝説の根拠となり、ファウスト博士は悪魔と契約して魂を奪われて、彼の肉体がばらばらに散ったという奇怪な風聞が伝えられています。
彼が錬金術実験をし、また魂を奪われたホテルは、このシュタウフェンの町に現存しています。ホテルの壁にはファウスト博士が2匹の悪魔に魂を奪われている様子を示した壁画が描かれていました。
シュタウフェンの街並み おばあちゃんの手作りの羊の置物
この後、大粒の雨が急に降り出して、これは困ったなぁと思っていると、すぐに止んでくれて、空には青空が広がっていました。この天気の変わり様は、悪魔の仕業なのかもと思うほど不思議な体験でした(笑)。
お土産として、おばあちゃんの手作りの羊の置物を2つ、ぽんカノに買ってもらいました。いつもパソコンの前に置いて、その羊に見つめられながら、ブログを作っています。
【おまけ】 久しぶりに、ぽんカノが描いたマンガを載せます(字が下手ですが・・・)。話のあらすじは、実験中のぽんすけが大爆発をさせ、研究所をふっ飛ばして、その翌日オオカミギャングさんに呆れられるという話です。実話にならないことを願うばかりです・・・
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