阪神タイガース  われら猛虎党






高校1巡目・野原、20分間走最下位で負けん気に火がついた!

持久走では最下位に沈んだ野原(左から2人目)。巻き返しにさっそく居残りトレだ
屈辱に唇をかみしめた野原。この負けん気が飛躍につながる
 阪神の新人合同自主トレ2日目の13日、鳴尾浜球場で高校生D1巡目の野原将志内野手(18)=長崎日大高=は、20分間走で大失速の最下位。負けじ魂に火がついて異例の居残りランニングと休日返上トレで巻き返しを誓った。大学・社会人D3巡目の上園啓史投手(22)=武蔵大=は、約50メートルの遠投で肩の仕上がりをアピール。15日からの第2クール中にもブルペンでの投球を開始する。


 絶対、1番になったる! 野原の負けじ魂に、いきなり火がついた。

 「このままの結果では終われない。キャンプまでに追い付いて、いつかはトップで走りたい」

 新人合同トレ2日目、いきなり壁にぶつかった。午前の最後に行われた20分間走で、断トツの最下位に沈んだ。10分過ぎからは口が大きく開き、続木トレーニングコーチのゲキにうなずくのがやっと。最後はトップの小嶋に周回遅れ(1周約300メートル)。井川(70センチ)に匹敵する69センチの太ももが自慢の足も「長距離は苦手です。自分は最低レベルの選手なんで」と頭を垂れた。

 だが、このままへこたれない。ここからが野原の真骨頂だ。昼食後、室内でのティー打撃で全体メニューを終えると、一人グラウンドに向かった。「自主的にやりました。自分にカツを入れて、みんなに早く追いつけるように」。他の選手がシャワーを浴びている間、居残って約20分間走り込んだ。

 長崎日大高でもそうだった。1年春からレギュラーに抜擢されたが、最初は練習に付いていくので精いっぱい。一日でも早く追いつくため、誰よりも素振りや走り込みを敢行。3年では主将としてチームをけん引するまでになった。「同じスタートになっちゃいましたね」と苦笑いだが、プロでも練習の虫になる。

 その行動は虎の成功者達に似ている。金本は試合後の素振りが日課。ルーキー時代の鳥谷は、試合後に鳴尾浜の室内でマシンに向かった。異例の居残り練習からは、大物の香りが漂う。

 「人と同じ練習をしていては、同じレベルでしか成長できない。人より2、3倍やりたい」

 14日も休日返上で汗を流す。トップを目指す逆襲のシナリオに、休みはない。

★部屋ではストレッチ

 努力を怠らない野原は、部屋では柔軟トレーニングに汗を流す。軽めのメニューだった前日12日は、約1時間の自主トレを課した。

 「体が硬いといわれているんで、部屋ではストレッチを長めにやっています。あとは体幹も鍛えています」。引っ越し準備などが重なり、入寮直前は思うように体を動かせなかった。ブランクを取り戻すために必死だ。

新人の中で急ピッチの仕上がりを見せる上園。15日にもブルペン入り
★上園、好仕上がり

 大学・社会人D3巡目の右腕、上園(武蔵大)が新人合同自主トレで仕上がりのよさをアピールした。約60メートルの距離での遠投を行い、力強いボールを投げ込んだ。

 「あのくらいは普通に投げられると思っています。(ブルペン入りは)言われたら入れるように準備していきたい」

 並んで投げた希望枠左腕・小嶋は5分程度の投球だったが、それを尻目に変化球まで試投した。すでにブルペン入りできる状態だったが、伊藤トレーニングコーチは「新人は放っておくと飛ばしすぎる。ある程度抑えてあげないと」とこの第1クールはあえて控えた。いよいよ、15日からの第2クール中(17日まで)にブルペン投球が拝めそうだ。

 「大学でも一日に100球から150球投げていたので、球数は投げられると思います」

 最速149キロで大学時代は延長15回完投もこなしたタフネス右腕。岡田監督が発令したキャンプでの投げ込み指令にも、動じることはない。肩、ヒジの故障歴もなく、課題はプロの水に慣れることだけ。まずは順調なスタートを切った。

★希望枠・小嶋、カモシカの脚

 まさにカモシカの脚だ。合同自主トレでの20分間走で、希望枠の小嶋(大阪ガス)が中盤からスパートをかけ独走V。「自主トレ中もランニングは毎日1時間やってきた。長距離も短距離も自信がある」とニッコリ。

 その恐るべき脚力は、少年期に培われていた。「小4のころから、毎日約1時間走っていた。昔から長距離が得意だった」と父・恵之助さん(53)は証言する。短距離も大阪ガス時代は5本の指に入っていた。この日で第1クールが終了したが、「時間があれば、明日も走りたい」と“ポスト井川”に甘えはない。

★橋本良、スタミナアピール

 高校生D3巡目の橋本(智弁和歌山)が20分間走で健闘した。一時はトップを奪う力走で、最後は小嶋にかわされたが、「負けたくない」とライバル視する野原に完勝。1メートル82、89キロと大柄ながら、スタミナがあるところもアピールできた。

昨季比3倍!久保田、出直しキャンプで2400球投げ込み宣言!

鳴尾浜のブルペンで早くも投球する久保田。守護神復活へ、目指すはキャンプ2400球
 決意の2400球!! 阪神・久保田智之投手(25)が13日、鳴尾浜球場で2度目のブルペン投球を行い、変化球を交えて50球を投げた。2月を“出直しキャンプ”と位置づけ、昨年の3倍となる、2400球前後を目標に定めた。出直し守護神がとことんまで、決意の投げ込みだ。


 決意があり、狙いがあってのブルペン占拠宣言だ。守護神に返り咲けるかは、久保田の“量”にかかっている。キャンプで何球投げられるか。ノルマを昨季比3倍に置き、覚悟はできている。

 「監督が言ったどうこうじゃなく、フォームを固めるために投げ込みはしようと思います。去年は投げ込みをしなかったんで。毎日ブルペンに入ろうと思っています」

 この日は鳴尾浜球場で自主トレを行い、11日に続く2度目のブルペン投球を行った。横川ブルペン捕手を相手に50球。カーブとスライダーも交えるなど、急ピッチを印象づける投げっぷりだ。

 前日12日、岡田監督がキャンプでの投げ込み指令を発令。先発、リリーフの持ち場に関係なく、全投手が対象だ。久保田はしかし、すでに心を決めていた。昨春キャンプの投球数は約800球。これを一気に2400球前後まで持っていく。

 「2000球はいくと思います。球数はその日の様子を見ながら、投げられるだけ投げたい」

 腕をコンパクトに振り抜く新フォームに、昨秋の倉敷キャンプから取り組んできた。期間中には200球近くを投げる日もあったが、「そこまではいかないと思う」。それでも一日平均で100球、トータルでは2400球を見据えている。

 昨年は不動の守護神として2月を迎え、一日の投球数を50球前後に抑えていた。確固たる地位を手放した今年は、投げるしかない。

 すでに11日から鳴尾浜でブルペン投球を行っている。カーブを多投しているのは、リリースポイントをつかむという狙いがあるからだ。岡田監督は「心臓が強いのは球児より久保田」と、再びストッパーを任せる構想を固めている。それに応えるフォーム確立には、何より“量”が必要なのだ。

 2月11日には練習試合の日本ハム戦(名護)が行われる。「投げられるなら投げたい」と、対外試合初戦にも照準を合わせた。JFK再結成へ、復活した久保田が投げ込み王になる。

■昨年の久保田は?
 1月の自主トレを米国アリゾナ州で行い、本格的なブルペン投球は2月の沖縄キャンプから。不動の守護神の地位を固めており、100球を超える投げ込みは行わなかった。同26日には広島・黒田の代役としてWBC日本代表に合流。日数的な制限もありトータルの投球数は約800球にとどまった。開幕後はWBC出場の影響で、安定感を欠く投球が続いた。6月21日の休日にはベビーカーから転落しかけた長女を助けようとして、右手骨折。一軍復帰まで2カ月かかり、守護神の座を球児に明け渡して終幕した。










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Last updated  2007年01月14日 15時13分38秒
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