阪神タイガース  われら猛虎党





怒りのサヨナラ打!虎・西岡、桧山敬遠「燃えた」

 (セ・パ交流戦、阪神3x-2西武、3回戦、阪神2勝1敗、5日、倉敷)西岡、燃えてサヨナラ打!! 阪神は同点の九回一死一、三塁、西岡剛内野手(28)が右前へサヨナラ打を放ち、西武に勝利。直前に代打・桧山が敬遠されたことでリードオフマンは発奮。リーグ優勝した2003年にマジックをセ界最速点灯させた倉敷の地で劇勝を呼び込んだ。

 染めたての茶髪が逆立っていた。九回一死三塁から、目の前で桧山が敬遠された。悔しさ、怒り、情けなさ…。すべての感情をのせた打球は、二塁手の頭上を越えた。西岡が今季2度目のサヨナラ打。ヘルメットを放り投げると、チームメートから手荒いウオーターシャワーの祝福。ズブ濡れとなったブラウンヘアがきらめいた。

 「僕も歩かされると思っていた。状態を考えると僕と勝負ということなんでしょう。あそこで燃えないと、どこで燃えるのかという話ですよ。来た球を気持ちでいくしかないと思った」

 そこまで2三振を含む4打席で凡退。ロッテ時代の2005年8月9日の日本ハム戦(千葉)以来となる目の前での敬遠だった。

 この試合前まで5試合でわずか2安打。左足に痛みをかかえ、途中交代となった試合もあった。万全でないのは明らか。お立ち台では「3割切った西岡です」(打率・299)と自虐的に口にしながら、「痛くない。もしも痛くて歩けない場合はヤジって下さい」。それでも、西武の選択は桧山や後ろの大和より「西岡勝負」だった。

 だが、虎のリードオフマンが打席ごとに“進化”していた。1打席目で空振り三振に倒れた次打席。上げていた足をノーステップへと変えた。「応急処置。打てないなら何かやらないといけない」。微調整を加え続け、臨んだ第5打席。普段よりバットを“寝かせた”。西武・大石の直球対策だった。水谷チーフ打撃コーチも「ああいうことができる奴」とうなった即興の適応力で、3球目の147キロを芯でとらえた。

 前日4日の移動日には黒髪を染め上げ、気分転換。さらに試合前、懐かしい顔との再会も発奮材料となった。2008年北京五輪の野球日本代表で、選手とスタッフとしてともに戦った元阪神・三宅博スコアラーが球場を訪れた。三宅氏から「よくチームを明るく変えてくれた」と褒められた。うれしかった。「阪神はいいチームですよ」と白い歯がこぼれた。

 背番号7の活躍で、チームは今季4度目のサヨナラ勝ち。交流戦成績も五分(8勝8敗1分け)に戻した。倉敷マスカットスタジアムではこれで5連勝。リーグ制覇した2003年7月8日にはセ最速のマジックを灯した地だ。

 巨人も勝ち、0・5差のまま。再奪首とはならなかったが、西岡は「あしたもきつい試合があるが、甲子園でも暴れていきたいと思います!」。虎党を沸かせて、お立ち台を降りた。“ブラウンタイガー”が、次の獲物を求めて、聖地に向かう。
(栃山 直樹)










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Last updated  2013年06月06日 15時40分14秒
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