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December 10, 2005
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カテゴリ: 美術
環境問題に対するアプローチの方法は様々で、その表現方法も色々な手段があります。

それは当たり前で、「環境問題」というカテゴリはあまりにも広すぎるがゆえに、その人の興味の持ち方によって、様々な切り口がありえ、そのどれもが「おそらく正しい」。

自然が好きな人、ゴミ問題に重点を絞る人、生活環境全体から問題を問い直す人、リサイクル活動に熱心な人、環境ビジネスの観点でビジネスチャンスを模索する人、植林の現場で生きている人…。

であれば、環境問題に対する「意見表明」も色々な形があって当たり前。

論文や学問といった手段以外にも意見を表明する方法はあるはずで、それは例えば、オノ・ヨーコさんの作品が、戦争そのものを扱っているわけではないのに、平和への祈りを強烈に感じさせてくれるように、環境問題にも、そういうアプローチがあるのではないか、という気がしています。

mixiの美術系コミュニティで、下記の書き込みを拝見しました。





私たちtierraは

強く期待しています。

環境問題と、それに伴う諸問題の深刻化が叫ばれています。
私たちtierraは、アートというツールを利用し、
環境問題を多くの人に、
より身近に、より真剣に考えてもらうため、
そして誰かのため、
何かのために出来る小さな一歩を踏み出してもらうため、
活動を行います。





私の言葉は小難しいですけど(苦笑)、彼女らの主張は明快で、とても分かりやすいです。


マンションのフラットな一室を利用したギャラリー。
壁に計8名のアーティストの方々が作品を展示されています。

写真作品と絵画作品がメイン。
所々に小枝と葉をあしらいながら、環境問題に関するトピックが止めてあるのが目に付きます。





私にとっても、環境問題は「美しいもの」を守りたい、というのが根っこにあります。
ただ、色々な現場に向き合う中で、「目を背けたくなる」景色を見せ付けられてきました。
破壊の現場、汚染の実態、暴力、政治、現場にいればいるほど、「汚れる」自分を感じました。

絶望、怒り、やるせなさ、無力感、その頃に私が撮った写真は、そんな感情がいり混じっています。
それは、行動しないままの自分に向けた怒りでもあり、告発でもあります。

私が他人に伝えたいのは、それではない。
私が他人から伝えられたいのは、それではない。

それぞれのアーティストの、例えばスローライフな、例えば異国文化を写した、例えば命のイメージを、空の彼方を感じさせてくれる作品は、前向きなエネルギーに満ちた、素直で伸びやかな作品でした。
「美しい」を伝えることは、論理では出来ませんし、言葉でも難しい。
彼ら彼女らにとっての「美しい」が、多くの人に伝わるように、と思います。



コンセプチュアルな作品では「地球はコピーできない」のコピーが目を引きました。
深刻ぶることなく、軽やかに問題の本質を掴み取っているなぁ、と。

絵画作品は、それぞれの表現方法が、それぞれの問題意識を反映していて面白かったです。
なるほどねぇ。いや、今回はあまり深読みするのは遠慮しておきます。




絵本のコーナーは、ちょっと作品数が少なかったのが残念。
図書館から借りたりして、充実を図る方法はあるかなぁ、と思ってみたり。
(管理が大変ですけどね。)

しかし、説教節になりすぎず、環境問題を身近に感じさせる絵本というのは、難しいよなぁ、と思います。
私は絵本は教育にとって偉大なツールだと思っていて…という話は長くなるから止めますね。



絵本に混じって、あの『百年の愚行』が置いてありました。
昔これの展覧会に行ったことがありますが、百年という昔というにはあまりにも近すぎる、我々の責任が問われるべき時代に、どれほどの差別が、どれほどの「愚行」が繰り返されたことか、哀しみと腹立ちを抑え切れませんでした。

そして、その愚行は、今も続けられているのです。
百年後の未来に、私たちは胸を張って向き合えるのだろうか、という問いは、決して軽いものではありません。
そして、胸を張るために、何が出来るのだろうか、という問いも。

今回の展覧会は、これらの問いに対する、彼女らなりの「答案」と言えます。
もしかすると「模範解答」ではないかも知れません。
この問題に「正解」はないのですから。

「白紙」で提出する、あるいは試験から逃げ出す人もいる中で、これらを企画し、しっかりやり遂げた彼女らは、「特A」なのだなぁ、と。

次回展に向けて一言。
もう少し、リサイクル素材とか、廃材の再生みたいなものを扱った作品があれば、展覧会自体に広がりが出たかも、と思います。


それぞれの方々の、今後の活躍を楽しみにしております。



>☆うの の方へ
えっと、Gallery Countach、どっかで見たことのある所を通るなぁ、と思っていたら、旧柴田邸のすぐご近所でした。
(隣の隣くらいにある動物病院のある建物の3F。)
いや、余談ですが。




『Tierra The art exhibition, theme is ecology.』

Gallery Countach (東長崎・落合南長崎)

[会期]2005.12/10(土)~12/11(日)

 10日(土)12:30~19:00
 11日(日)12:30~18:00  

参加アーティスト :

櫻井 敬子 (法政大学/水彩画)
鈴木 麻衣子 (東京藝術大学 /写真)
築沢 由美   (法政大学 /水彩画)
能登谷 和紀 (huk. /イラスト)
松原 よしき (法政大学 /ポスター)
松井 真由美 (Photo unit 178. /art unit kira/写真)
三浦 瑶子  (武蔵野美術大学 /写真)
松本 翼   (写真)





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Last updated  December 10, 2005 09:23:07 PM
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RonaldBus@ Transforming your landscape with gorgeous blue stone slabs. Understanding the Benefits of Choosing …
mrtk@jp @ Re[1]:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) >そらねこさん コメントありがとうござ…
そらねこ@ Re:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) はじめまして。本の題名につられてお邪魔…
浅葱斑@ 心のハレっていいですよね? こんにちは。 誕生日の暦から今の自分、未…
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