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May 5, 2006
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カテゴリ: よしなしごと
歌枕として有名な「勿来の関」(なこそのせき)。
「勿来」は読み下すと「来る勿(なか)れ」。

「来るな」の響きの面白さ、「関」という人の行き来を堰き止める役割から、「あふさか」=「逢う坂」の関と同じように、掛詞の形で多く使われます。

なーんて、私もそんなに「文学的素養」があるわけではないので、和歌を引用したりは出来ないのですが。

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勿来駅

勿来の駅で降りて、駅員さんに、
「えっと、勿来を抜けて、五浦まで歩きたいのですが、そんな地図とかあります?」
と聞いたら、快く「駅からハイキング」の地図を下さいました。

そうそう、こういうのです、欲しかったの。


うん。歩くだけなら、大体1時間強くらいのコースですね。

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sakuranamiki

勿来は、桜の名所としても有名だそうで、既に新緑になってしまっていますけど、桜の木がとても多い。

さぞかし綺麗だったのだろうなぁ、と思いつつ、緩やかな坂を上っていきます。
耳に響くは鴬の声。

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岡本綺堂 の戯曲に、勿来の関を舞台にした軍記モノがあるらしく、その登場人物解説と、関までの距離が書かれた案内板が設置されています。

良いですねぇ。
こういう気配りが有難いです。

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いや、えっと、 岡倉天心 先生に敬意を表して、和服に袴、麦藁姿です、私。

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と言っている間に、関跡に到着。
多くの句碑・歌碑が並ぶ公園になっています。

勿来関

いわき市勿来関文学歴史館へ。

勿来を織り込んだ歌が、テーマに沿って展示されていますが…あう。私にはまだちょっと早かったか。

お金もかかっていて、立派な展示になっていますが、うーん、昔から、詩とか俳句を「感じる」のって苦手なんですよね。
作る側にまわれば「分かる」ようになるのかなぁ?

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私が「勿来の関」を知ったのは、『 枕草子 』でした。

関は 逢坂。須磨の関。鈴鹿の関。岫田の関。白河の関。衣の関。ただごえの関は、はばかりの関と、たとしへなくこそおぼゆれ。横はしりの関。清見が関。みるめの関。よしよしの関こそ、いかに思ひ返したるならむと、いと知らまほしけれ。それを勿来の関といふにやあらむ。逢坂などを、さて思ひ返したらむは、わびしかりなむかし。

( こちら からコピーさせて頂きました。)

私は、自分の日記でぐちぐち他人の悪口を書いていた、同世代のベストセラー恋愛小説作家よりも、花鳥風月を自分のセンスで斬ってみせ、自分の思いをはっきりと、リズミカルでポップな文体で綴った 清少納言 さんのファンです。

文体からしても、こちらの方が断然美しいですし。
明るく気丈に振舞って見せている分、心根が繊細だよなぁ、と。

「好きな女性のタイプは?」
「清少納言かオノ・ヨーコ。」
って答える度に、困った顔をされるのですが、うーん、結構真面目に考えた結果なのですがねぇ。

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歌

こちらは、オノは小野でも、 小野小町 さんの歌が、柵代わりのガラス板に書かれていて、景色の中に歌が浮かぶ仕掛け。

見るめかる あまのゆききの 湊ぢに なこその関も わがすえなくに

「海松(みるめ)刈る」と「見る目 離る(かる)」を掛詞に、「私は「来ないで」なんて言っていないのに」と切ない心情を、遠い勿来の地のイメージに託して吐露した…んだろうな。

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なんか、新しい教育施設を建築中でした。和風の結構大きな建物。
桜の季節は、人がいっぱいで良いのでしょうが、今日みたいにがらがらだと採算取れるのかなぁ。
建設、維持費、教育、観光、一介の旅人が何を言えるものではないですが。

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さて、関を下り、海岸線に沿って、平潟漁港、そして向かうは五浦。
楽しく参りましょう♪





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Last updated  May 15, 2006 11:42:11 PM
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RonaldBus@ Transforming your landscape with gorgeous blue stone slabs. Understanding the Benefits of Choosing …
mrtk@jp @ Re[1]:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) >そらねこさん コメントありがとうござ…
そらねこ@ Re:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) はじめまして。本の題名につられてお邪魔…
浅葱斑@ 心のハレっていいですよね? こんにちは。 誕生日の暦から今の自分、未…
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