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May 5, 2006
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カテゴリ: よしなしごと
五浦五浦五浦
(五浦周辺)

岡倉天心 先生は、私が最も尊敬する芸術家のうちの1人であり、最も尊敬する美術評論家の1人であり、最も尊敬する思想家の1人であり、最も尊敬する教育者の1人です。

29歳にして、東京藝術大学の初代学長として、 横山大観、下村観山、菱田春草 、近代日本を代表する日本画家の精神的な、また実践的な師匠の役割を果たし、また、 フェノロサ と共に、日本文化の再評価に取り組みました。

藝大を追い出された後、上記のメンバー達と日本美術院を結成。
日本美術の発展に力を注ぐことになります。

その一方で、中国・インドに日本文化の源流を求め、各国の著名人と交わり、ボストンを皮切りに日本美術展を開いたり、 『茶の本』 『東洋の理想』 など、日本文化を啓蒙する英著を記したりと、日本文化の紹介に大きく寄与。

新訳茶の本 東洋の理想

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あう。偉大すぎる。
知性・教養・行動力、どれを取っても天下の逸材。
絵も描けば、書も嗜み、英語で戯曲も書けば、評論も書きます。

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よくお世話になっている、 ワタリウム美術館 さんは、現代美術館でありながら、「岡倉天心研究会」と題する勉強会を定期的に開いています。
これが本にまとめられたのがこちら。

ワタリウム美術館の岡倉天心・研究会


そして、昨年は『岡倉天心展』を実施。(感想は こちら
五浦行きのツアー企画もあったのですが、私はツアーには参加できなかったのです。

現代美術館の提唱する「温故知新」。
ちょっと新鮮でしょ?

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五浦
(美術院跡の垣から)



小品ながら、心惹かれる岡倉天心像があります。
おっと、 平櫛田中 翁作だ。
先日 畠山記念館で見た ばかりですが、また翁の作品を拝見できるとは。

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この後で行った、六角堂にある天心記念館にも、 平櫛田中 翁作の、釣りをする等身大の天心像、胸像、そして、『 活人箭(かつじんせん)』 が展示されていました。

『活人箭(かつじんせん)』の写真は こちら
(てか、ここにある作品、ほとんど こちら に写真が載っていますね。)

最初の 『活人箭(かつじんせん)』 に対する天心評がすごい。
弓と矢を手にしているのに対して、 「弓と箭はいらない」「あんな姿ではは死んだ豚も射れぬ。」 と斬って捨てたとのこと。
それを受けて、田中翁は弓と矢を省いた作品を創り上げます。

弓と矢を持ったバージョンの写真があるのですが、それもそれで凄い出来。

しかし、弓と矢を持たないことで、観る側の視線が作品の表現そのものに集中されることになり、緊張感がより凝縮されるのです。

しかし、何故、そこまで見抜けるんだろう?
美に対して、よっぽどのセンスがないと、これは出来ない。

それを指摘できる天心先生もすごいし、それに答えた田中翁もすごい。
評論かくあるべしの、見本のような問答ですね。

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さて、六角堂です。

六角堂遠景六角堂六角堂内部

六角形の和室。畳は台形でした。なるほど。
赤瀬川原平 さんが 『千利休 無言の前衛』 の中で、「楕円の茶室」を夢想されていましたが、これを思い出させます。

六角堂1六角堂2六角堂3

ワタリウムさんの展覧会では、美術館内に六角堂を再現し、周辺映像をプロジェクターで流す、という素敵な演出がされていましたが、ここでは中には入れません。


一瞬、周りに人がいることすら、忘れてしまいそう。


偉大なる先人が自ら選んだ景勝の地は、様々な思索を私に与えてくれました。

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本当に来て良かった。

お昼ごはんが美味しかった話とか、公園で出会った美術好きのおじさんの話とか、「天心の湯」の感想とか、帰り道に街灯がないことに気付いて、日暮れまでに駅につけるか焦ったこととか、いろいろありましたが、そこらへんは割愛。

今から水戸に移動しても、宿泊だけですね。
ちょっと予定とずれてしまいましたが、それも良いでしょう。
さてさて、いざ水戸へと参りますか。






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Last updated  May 19, 2006 12:40:19 AM
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RonaldBus@ Transforming your landscape with gorgeous blue stone slabs. Understanding the Benefits of Choosing …
mrtk@jp @ Re[1]:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) >そらねこさん コメントありがとうござ…
そらねこ@ Re:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) はじめまして。本の題名につられてお邪魔…
浅葱斑@ 心のハレっていいですよね? こんにちは。 誕生日の暦から今の自分、未…
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