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February 14, 2007
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テーマ: 海外生活(7808)
カテゴリ: よしなしごと
加納朋子 ガラスの麒麟 』という作品があります。



冒頭に語られる「少女の死」が影を落としながらも、
それぞれの「解決」が、どこか心を温めてくれる、
切なく美しい連作短編集です。

この中の一編から。

=====

 と悩んでいた先生の元に、クラスの皆から花束が贈られます。

 色んな花の混じった、不思議な花束。
 届けに来た、クラスの女の子がこう言います。

 「 どんな花束にしようか、話し合ったんだけど、決まらなくて。
 結局、それぞれが一輪ずつ持ち寄るってことにしたの。


 先生は、それを見ながら、思います。
 これは、クラスそのものなんだ、って。

 みんな個性的で、バラバラで、色んな方向を向いていて、
 でも、どれも皆素敵で、輝いていて…。

 軽口を叩いてみせながらも、先生は涙をこぼします。


=====
嗚呼、上手く感動を伝えられないな。


-----
私は、色とりどりの花束を見るたびに、
このエピソードを思い出して、切ない気分になります。

-----
この話を読んでしばらくした頃に、『 世界に一つだけの花 』がヒットし、
その歌詞に、またこのエピソードを思い出して、涙しそうになりました。
聞く度に涙しそうになるから、私は『世界に一つだけの花』が苦手です(笑)

=====
バレンタインデー(の翌日)に、クラスの女の子や知り合いの女性に、チューリップの花束をお渡ししました。
一色だけで統一するのではなく、数色入り混じったチューリップの花束。


自分が足を踏み出さなかったら、会うこともなかった人達。

変に気取って、バラの花束を渡すより、
色とりどりのチューリップの方が、ふさわしい気がして。

-----
もう、こうやって、皆に会うことが出来るのも、最後ですし。


世界には、本当にたくさんの人達がいて、私達はその全てに出会うことは出来ません。
たまたま、今、ここで、ドイツ語を学んでいるからこそ、生まれた出会い。

奇跡 」と呼んでも良いのだと思います。
あるいは「 他生の縁 」だったのだと。

-----
また会える、ことはそうないでしょう。

でも、いつも、どこかで、自分の友人が、何かに出会い、何かに感動し、
それぞれの人生を歩んでいるのだ、と思えば、愉快だし、素敵ではないですか。
それが、もし、またどこかで交差するのなら、それはとても素敵なことです。

だから、私は心から、彼ら彼女らの幸福と幸運を祈りたいと思うのです。
そう。いつか、どこかで。

=====
そうそう、蛇足ではありますが、この題名で書くなら、
この本も忘れてはいけませんね。



アルジャーノンに花束を 』  ダニエル・キイス

-----
こちらでは、バレンタインは女性からだけのものではありません。
だから、遅くなりましたが、ハッピー・バレンタイン♪







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Last updated  February 16, 2007 08:47:17 PM
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RonaldBus@ Transforming your landscape with gorgeous blue stone slabs. Understanding the Benefits of Choosing …
mrtk@jp @ Re[1]:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) >そらねこさん コメントありがとうござ…
そらねこ@ Re:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) はじめまして。本の題名につられてお邪魔…
浅葱斑@ 心のハレっていいですよね? こんにちは。 誕生日の暦から今の自分、未…
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