MORITA in Cyberland

PR

Profile

mrtk@jp

mrtk@jp

Archives

August , 2025
July , 2025
January 7, 2014
XML
カテゴリ: 読書
土佐日記 』を読みました。

とは言え、原文のみで読めるわけもなく、 林望 先生の『 すらすら読める土佐日記 』という解説付きの本で、ですが。
(念のため「今でしょ!」の人ではないですよ。)


すらすら読める土佐日記 [ 林望 ]


いやぁ、面白い。実に面白い。
林望 先生の解説が、非常にあたたかく、分かりやすい。
解説というより、もはやツッコミの域ですが。

男もすなる日記というものを 女もしてみんとてするなり

この有名な書き出しから、 紀貫之 の意図した「面白ポイント」を、丁寧に拾いながら説明が進むので、当時の読者の気分を追体験しながら読むことが出来ます。

今なら日本国内、ほぼどこからでも1日で移動は可能なわけですが、当時の「 土佐 」から「 京都 」までの実に遠いこと!

距離的な遠さだけでなく、足止めを食らい続ける時間的な長さが、不安と焦燥を掻き立てます。

軽妙な文章で、皮肉、諧謔を織り交ぜながら、その「時間」を活写し、共に旅する気分に浸ることが出来る、というのは、正に「紀行文学」だなぁと思います。

そして垣間見える任地先で失った自分の娘に対する思い。

あくまで書き手は「女」なので、自分の仕える主人夫婦の娘、という「設定」になるわけですが、時折顔を見せる、この「あはれ」が、全体の雰囲気を引き締め、「おもろうてやがてかなしき」世界を作り出しています。










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  January 7, 2014 02:23:19 PM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Calendar

Comments

RonaldBus@ Transforming your landscape with gorgeous blue stone slabs. Understanding the Benefits of Choosing …
mrtk@jp @ Re[1]:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) >そらねこさん コメントありがとうござ…
そらねこ@ Re:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) はじめまして。本の題名につられてお邪魔…
浅葱斑@ 心のハレっていいですよね? こんにちは。 誕生日の暦から今の自分、未…
I read your post and wished I'd wrtietn it@ I read your post and I read your post and wished I'd wr…

Favorite Blog

ロシア生活2004-2012 koshka0467さん
 eco-blog 環境エン… 拓也@エコブログさん
Chobi's Garden chobi-rinさん
紺洲堂の文化的生活 紺洲堂主人さん
mypo MihO in Berlinさん

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: