酔っぱらい店長

友人のピカチュウと銀座でバーに入りました。

酔っぱらい店長


 外堀どおりに面した小さなビルの6Fにバー「D ハートマン」はあります。“人生の原点”で紹介したワインバー「シノワ」で食事とワインを楽しんだ後伺いました。

 あまりに小さいビルで全然分からず、そのブロックをぐるぐる回った挙句、これまた小さな「D ハートマン」の看板を見つけることができた。ぎしぎしと音のする古いエレベーターで上がると、気配が聞こえたのか入り口でバーテンダーが待っていて、ドアを引いてくれる。

 中は、長いカウンターだけのお店。土曜日だったせいかあまり人がいない。バックヤードに並んだお酒、きれいに磨かれたカウンター、バーテンダーの白いシャツ。うーん、すごくいい雰囲気。
 お酒の弱いピカチュウはソフトドリンクを、私はベルモットのカクテルを頼み乾杯!この時バーテンダーは2人いて、どちらも年齢は若く見えるものの、とても落ち着いた物腰で、さっきまで飲んでいたワインの酔いも手伝い、なかなか心地良く飲めた。

 さすが銀座のバーは洗練されてるなあ、と感心し、若いバーテンダーと静かに会話をしているところへ、
 「いらっしゃいませ!」
いきなり威勢のいい声が飛び込んできた。ちょっと年配の、えーっと、バーテンダーだよね?

 少々びっくりしながらも差し出された名刺を受け取ると・・・
 「店長さん・・?」
 「ええ、なんか店長をやるぁせていただいてるんっすよ!」

 あの、決して疑うわけではないのですが、その声の大きさと言い、しゃがれ具合といい、ろれつの回らなさといい、・・・酔ってるでしょ?

 バーテンダーだから酒が嫌いなわけないし、お付き合いで飲んじゃったんだろうけど、うーん、あからさまに酔ってるのも何だかなぁ・・・。

 ちょっと静かになってしまった私達を尻目に、店長はしゃべりまくる。酒の話、旅行の話、酔っ払って寝てしまったお客さんの話(今は自分が酔っぱらいだけど)、大学時代の話。私達はと言えば、しゃべりの速度と迫力にツッコミも入れられず、ただただ話を聞くばかり。よくしゃべるよなあ。

 最初はびっくりしていたけれど、そのうち私達も慣れてきて(同じくらい酔っぱらってきて?)すっかり楽しくおしゃべりができるようになったので良かったけど、店長さん、いつも酔っぱらってるの?いや、私達は楽しかったんだけどね・・・。

 一瞬、酔っぱらってできる商売なんていいなあ・・、と思ってしまったけれど、あの時はたまたまそうなっちゃっただけで、普段はちゃんとしてるんですよね?・・・そう願いたいです。

 そうそう、酔っぱらってても勧めてくださったグラッパはすごーくおいしかったです。

 ちなみに、「D ハートマン」のホームページはこちら。

http://www.ginza.co.jp/heartman/

 バーテンダーの写真つき。私が見た店長より5割り増しで渋く写っています。





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