始まりの場所

始まりの場所

プロローグ(キリク)





─────僕たちが何をした──



一向に止む気配も無く降り続ける雪の上を、
裸足で歩く足にはとっくに感覚など無くなっていた。

まるでモノクロの世界のように 生気を失った人々の列はどこまでも続いていた。
もう2日ほど、ほとんど休み無く歩き続けている。
少年には何がなんだかわからなかった。


その日も、いつもと変わらない平和な朝が来たはずだった。
だが、突然そいつらはやってきた。
鉄で出来た鎧に身をつつみ、鈍く黒光りする剣を持った兵士たちによって、あっという間に少年の村は占拠された。

兵士たちは少年たちに足枷をはめ、一列になって歩くよう命じた。
足腰の弱い老人や赤ん坊はその場で兵士たちによって殺された。


──わけがわからない。

少年の頭は混乱していた。この兵士たちが何をしたいのかわからなかった。
2日前に目の前で殺された祖父の血が服に赤黒く滲んでいた。
少年の前にはその母がいたが、村の人々は一言も話すことを許されなかったので、
少年も何も言わず、ただ母の背中を見つめて歩いていた。


「殺される。」

混乱した頭のなかで、少年はそう悟った。
その考えは当たっていた。当たっていてほしくない考えだった。

列の先頭が石造りの巨大な城の塀をくぐったとき、なかから悲鳴が聞こえた。

少年がぼんやりと見つめたその先には、
振り下ろされる大きな斧と横たわる村の人々があった。

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