2003.1



「冷暗所保管」ナンシー関

「7つの怖い扉」

「すみれの花の砂糖づけ」 江國香織 新潮文庫

 単行本の時からねらっていた本。文庫になってさっそく購入。
愛らしく詩情あふれる装丁。カバーの紙質もつやめきがやわらぎ、優しい手触り。
 詩集はやっぱりたずさえて読みたい。かばんにいれておくと、可愛いポーチかきれいなハンカチのように心躍る。

 そしてページをひろげると、江國ワールドがはらはらりと。
ちびでなまいきなこども、いさましくてせつない女の子、恋におちて問いをくりかえす日、恋人との静かな時間、夫とのさりげない日々、しんと人生や歴史を悟る時…いろんな彼女やその時間、その思いが素朴でたくましくてあかるい表現で謳われていく…

 ユニークでしたたかな底力のある表現にもひきつけられる。
 かりんとをじゃこじゃことかみくだき、ドーナツでじゃりじゃりと砂糖だらけになって、たくましく勇敢になった「おやつの時間」印象的だ。
 トイレットペーパーを買うことだって詩になるし、いつかのひとつにおさまらないさまざまなイメージの恋人同士の表現のなかにバターのしみたひときれのトーストだったでしょう?というのがあったりして、悲痛さのなかにも、ほんのりユーモラス、泣き笑いが感じられてよけいせつなくなる。 


「水の眠り 灰の夢」

「聖なる黒夜」

「ノスタルジア」

「恋」

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