第5話 楽園計画(3)


もう間もなく神の審判が下る。

神のコードをもったウイルスが世界中にばらまかれる。
何も知らない人々は、ばたばたと人が倒れていくのを見て恐怖に駆られるだろう。

その後は”理想郷”ができあがる。世界各地に立てられた”ドーム”への収容が始まる。
”神に選ばれた”人々はそれぞれの”ドーム”へ誘導され登録される。
登録された人々は順に居住場所を決められ、蘇生及び怪我・病気に備えるためクローンの製造が開始される。
定期的に細胞レベルで若返り、一番いい時期を永遠に過ごすことができる。
恋愛も結婚も自由。子どもができたとしても、神のコードとあわない子どもは育たない。
適合する子どもが産まれる確立は、システムエラーでそれ以降の生存を拒否される人が出る確立とほぼ同じ。若干産まれる子どもの数の方が多いがそれでも1000年に5人前後でありシステム上は問題がない。産まれた子供はすぐに登録される。

----別の場所 同じ時間---
「いままで通り、いや今まで以上に食に対する不安はなくなる。」

「それは人口が少なくなるからですか?」

「そう。いまでも多少余分に作っているが、どんなトラブルで生産がストップするかわからない。余分といっても1基だめになれば他からの支援を待つしかない。しかし、人口が減れば現在の状況から予備機が数台はできあがる。修理中も問題なく供給できる。」

「...」

「衣食住に心配がなく、好きなものを好きなだけ食べられる」



これからは怪我も病気も怖くない。

みんなが無敵のヒーローになれる時が来る。



常に若くあり。体に気兼ねなく常に最高の状態に保てる。

何度でもやり直しがきき、したいことだけすればいい。

死に対する恐怖も、追いに対する恐怖も、病気に対する恐怖もない



すべての人が平等に裁かれる。

多くの人と一緒に死ぬか、神に選ばれ永遠の命を手にするか。

どちらが幸福かはわからないが、選ぶのは自分ではなく”神”



「それが楽園計画ですか。」

「そう。とうとう人は神になるためのすべての道具を手に入れた。」

----別の場所 同じ時間---
「久しぶりだね。郊外に来るの」

「そうだな。バーチャルで遊んでる方が楽しいしな。実際に日の光を浴びたのは
2年ぶりぐらいだ。」

「風が気持ちいい。やっぱ本物は違うわ。」

「そうか?バーチャルでも結構気持ちいいぞ。場所も選べるし、すぐに違うところにいける。」

「もぅー、そういう機械よりの考え方って最近嫌われるんだよ。」

「しょうがないだろう、事実なんだから。」

「でも、のんびりするね。このまま永遠に時間が続けばいいのに」

「そうだな」

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