つららの戯言

つららの戯言

見てみたら ワンピース


「ワンピース・オマツリ男爵と秘密の島」


 悪魔の実なのか、そういう植物だったのか分からないが、人間の食べる(栄養分として)ことで生きながらえ、そしてその花を持つ人間に望みどおりの幻想を見せるという「リリ-・カーネーション」という花。それって「リインカネーション」→「輪廻転生」というものにかけているの?それとも本当にそういう花があるのかしら? 脚本が伊藤さん(元第三舞台)だけにめちゃくちゃそういうことが気になる私。だ~れもそんなこと思ってなったらどうしよう。


 嵐で仲間を失った海賊が、その花に囚われ、自分たちの仲間の幻想を見せてもらう代わりに、海賊をおびき寄せ、仲間をばらばらにし、植物に与えるというおはなし。

 海賊は一人ではなく、「仲間」がいるから、海賊なんだよ!っていう趣旨。

 モーニング娘。でいうと、前々回が突然の大抜擢で新入りの後藤真希がメインを張ったみたいに、チョッパーが王様という可愛いキャラクターで魅了し、前回は古参のメンバーが主だったんだけど、他のファンの方にもサービスとかいっていたら散漫な感じに仕上がってしまった感じ。
 今回は初心に帰り、センターはやっぱりなっち!みたいな布陣でがっちりとしたものに。そうすると他の面子の面白さはやっぱり少ない。残念。

 絵はデジモン映画と同じ方なので、アニメや漫画のそれとはまったく違う別物で、最初はうすべったいナミさんや、ひょろ~っとしたゾロに違和感バリバリだったけど、見慣れてくればまぁ我慢ができるレベルかなぁ。

 海の波や、ジャングルの木々、男爵の建物等、背景や景色のCGは驚くほど美しい。配色がとても鮮やかで、ワクワク感を煽ります。特にナミ視点でジャングルを歩き回るところは目が回りそうなぐらい。

 根っこが人間を飲み込むあたり非常にエバぽかったりしますが、太い根が何万もの矢に代わりルフィーに降り注ぐ辺りは映画のスクリーンの大きさに感謝したくなるほど美しく、ドラマティックです。子供には少々グロいかな。っていうかこれはテレビで放送できるのか??

 今回は、敵は最強に強い!というわけではありません。冷静な判断をすればきっと勝てる要素はあるんだと思うんです。ただ、「仲間をとられた」という状況下ゆえのあの苦戦という感じ。
 メリー号の面子だけじゃなくても「仲間」はいつでもそばにいるということ、新しい友はできるということが言いたいのかなぁと。
 敵は、嵐で失った「仲間」たちに固執し、花に心を奪われ、人間をささげて幻の中で生きています。
 ルフィーは「仲間」を取られたことを自分の責任と感じいったんは後ろ向きになりますが、新たな「仲間」、「友」の助けに支えられて前を向いて戦っています。
 家族経営の海賊の子供が、今はいない母と同じで耳がいいっていうんです。いなくてもちゃんと繋がってるんです。最後に敗れた敵の耳に昔の仲間の声が届きます。「俺らのことを忘れて新しい仲間を探してくれてもよかったんだよ」と。過去にすがることじゃなくて、前を歩みつづけるために、「忘れてくれ」と。

 ここが勝敗の差。結局今回は最終的に敵を倒したのはパパさんですからね。「ちょびひげっ」ってあの状況で言っちゃうルフィーはやっぱり男前です。

  ただ惜しむらくは少々、ストーリーに難ありな感じが。

 1. クルーたちの仲たがい の方法が安直過ぎ。今のアニメや漫画で進んでいる ストーリーを考えると、あれぐらいの出来事ですぐに仲たがいをするような結びつきじゃない。
 ばらばらにし、戦闘をさけて、というストーリー展開に持ち込みたいのは分かるが強引な展開

 2. 1と同様だが、最後の戦い時、他のクルーの「ルフィー助けて」という声がするというくだり。どうも違和感。メリー号の面子は、仲良しこよしの仲間ではない。誰かにおんぶに抱っこされるというキャラではない。ああいう状況だからといってもそういう風な展開はどうかなぁ。
 最後に首を伸ばし、「ゾロっ!」と叫んだルフィーに、おいらはゾロが覚醒するのかと思っていたわ。

 3. オマツリ島に来たことをサンジ君が船長を責める場面。そりゃありえないだろう。 いくらロビンちゃんが消えたからといって、サンジのキャラとして考えにくい。


 原作がどんどんと充実し、内容も深くなっていくに従って、単発で、2時間以内に収めなければいけないという制約の元、映画にするというのは大変な作業だと思う。
 かってに悪魔の実の能力者を出すわけにはいかないし、クルーはまた一人増えたし、原作でも敵は巧妙で強くなっていく一方だしね。

 今回は完全に子供向けという方向性はとっぱらっちゃいましたね。最初の金魚すくいのままのテンションで進めば「子供向け」要素は強かったのに。あの金魚も気持ち悪くてよかったけど。

 私は好き、ネジまき島より好きかな。

 得点 5点 でも、もう少しゾロの戦うシーンが見たい。ゾロ贔屓としては


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