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国際宇宙ステーションとのドッキングに成功し、地球への帰還に向けて飛行を続けていたアメリカの民間企業の宇宙船が、日本時間の1日午前0時42分にアメリカ西部、カリフォルニア州の沖合の太平洋上に着水しました。太平洋に着水したのは、アメリカのベンチャー企業、「スペースX」社が開発した無人の宇宙船「ドラゴン」で、先月22日にフロリダ州の空軍基地から打ち上げられたあと、民間の宇宙船として初めて国際宇宙ステーションとのドッキングに成功しました。
「ドラゴン」は、31日午後6時49分に宇宙ステーションと分離し、午前0時前、最後のエンジン噴射をして大気圏に突入しました。
「ドラゴン」は、空気との衝突で1000度以上の高温にさらされましたが、1日午前0時42分にパラシュートを使って西部カリフォルニア州の沖合、およそ900キロの太平洋上に着水しました。
「スペースX」社では「ドラゴン」を回収するため、ヘリコプターや船を向かわせていますが、宇宙船との通信の内容からは異常はなく、帰還は成功したとみられています。
国際宇宙ステーションとドッキングし、地球に帰還したのは、 民間の宇宙船としては世界で初めてで、「国」が開発した宇宙船でもアメリカとロシアしか成功していません
。
今回の成功は、民間による宇宙開発の可能性を大きく広げるとともに、 民間主体の宇宙開発を強く推し進めてきたオバマ政権の宇宙開発政策を大きく後押しすることになります
。
開発企業の経営者"有人宇宙船の開発進める"
宇宙船を開発した企業の経営者は、記者会見で今後有人宇宙船に向けた開発を推し進めていくことを明らかにしました。
「スペースX」社によりますと、「ドラゴン」は現場に派遣された船によって回収されたということで、カリフォルニア州にある本社まで運んだあと、飛行データを分析し、今後の開発に生かすことにしています。
「ドラゴン」の帰還を受けて「スペースX」社は記者会見を開き、CEO=最高経営責任者のイーロン・マスク氏は「これ以上にないほどすべてがうまくいった。10年でここまで成長できたことがうれしい」と述べて、今回のドラゴンの打ち上げが大成功であったと強調しました。
そのうえで、その成功には、NASA=アメリカ航空宇宙局の支援が欠かせなかったことを挙げ、「 宇宙輸送の次なるレベルに到達するため、技術をさらに向上させたい。NASAとの連携は成功しており、今後はさらに促進させるべきだ」と述べて、有人宇宙船に向けた開発を推し進めていくことを明らかにしました。
国際宇宙ステーションとのドッキングに成功した民間企業の宇宙船が、地球に無事、帰還できたことで、アメリカ政府が後押ししてきた民間による宇宙開発がさらなる広がりを見せることになります。
「スペースX」社が開発した無人の宇宙船「ドラゴン」は、今回、民間企業が開発した宇宙船として初めて国際宇宙ステーションとのドッキングに成功しました。
「ドラゴン」と国際宇宙ステーションは、共に秒速8キロという銃の弾丸よりもはるかに速い速度で飛行しており、ドッキングには数センチ単位の精度が求められます。
このため、ドッキングを成功させるだけでも大きな成果といえましたが、今回、「ドラゴン」はさらに地球に無事、帰還することにも成功しました。
無人の宇宙船を打ち上げて、国際宇宙ステーションとドッキングし、地球に無事、帰還させる技術は、 宇宙開発に長年にわたって取り組んできた日本も持っていない技術です。
「ドラゴン」が達成したのと同じ技術を成功させているのは、アメリカとロシアが「国」として開発した宇宙船のみで、アメリカ政府の全面的な支援があったとはいえ、ビジネスを前提にしたコスト重視の民間企業が成功させたことに、宇宙開発の関係者からは驚きの声が上がっています。
今回の成功は、国際宇宙ステーションと行き来するためのロケットや宇宙船の技術は、すでに確立されたもので、工夫によっては、安全性を維持したままで開発や運用のコストを大きく下げられることを示しています。
このことは、民間企業による有人宇宙船の開発も決して非現実的なことではなく、十分に達成が可能であるといえます。
実際に「スペースX」社は、「ドラゴン」を有人宇宙船に発展させる前提で開発を進めてきており、人を運ぶときに必要な高い安全性を開発当初から目指してきました。
その「スペースX」社は、「ドラゴン」を来年から少なくとも12回打ち上げて実績を重ね、2015年には有人宇宙船の打ち上げを目指すとしています。
その野心的な計画に懐疑的な目を向ける専門家や関係者も数多くいましたが、今回の成功によって、計画どおり、2015年に打ち上げられなかったとしても、有人宇宙船の開発にはいずれ成功するのではと見方を変える人も多くいます。
こうした見方の変化は、宇宙開発を目指す企業や出資を検討している投資家を後押しすることにつながり、民間による宇宙開発の可能性が今後、大きく広がるとみられています。
そうしたなか、宇宙開発の関係者の間では、民間企業による旅客機の開発によって爆発的な広がりを見せた民間航空ビジネスのれい明期と同じことが、今、宇宙開発で起きつつあると指摘する人もいます。
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