七夜式のやりたい放題なブログ

第十六話 聖痕




「現在アーチャーがリタイア。残るサーヴァントはギルガメッシュとセイバーのみです」


「聖杯は今回何処に出現するんだい?」


「恐らく早乙女邸かと思われます」


「ほほう、あそこに出るのか・・・さて、アルトは聖杯をどうするのかな?」


                   第十六話 聖痕


―――早乙女邸


「散れ」


ギルガメッシュが静かに言い放つ。


王の財宝 ゲートオブ・バビロン


ギルガメッシュの後に現れるは無数の宝具。


何か手立ては無いか?そう考えていると、一人の男の言葉が頭をよぎった。

―――お前が本来使うべき魔術は、『強化』ではなく『投影』だ。常にイメージするのは、最強の自分


「最強の、自分・・・」


まずイメージするは最強の自分の盾。


どんな攻撃も弾き続ける最強の盾を。


「――― I am the bone of my sword.」 体は剣で出来ている


一呼吸おいて、叫ぶ。


「――― 熾天覆う七つの円環 ロー・アイアス !!」
アルトの目の前に紅い7枚の花弁が現れる。


それがアルト達3人を覆った。同時にギルガメッシュが指を鳴らした。


無数の宝具が飛んで来る。アルトは精神の全てを花弁の盾に集中させた。


「ほう?やるようだな。だが、これはどうだ?」


財宝の中から剣を取り出す。


剣?剣と言っていいのだろうか。


見た目は削岩機の様にも見える。


刀身は丸い。刃は3つに分かれている。


紅い脈の様な物が這っている。


「あれは・・・なんだ?」



「これは世界を創った剣、 乖離剣 エア だ」


「乖離剣、エア・・・?」


ギルガメッシュがエアを構える。無数の宝具も準備された。


「散れ、雑種」


「くっ!!――― 熾天覆う七つの円環 ロー・アイアス !!」


天地乖離す開闢の星 エヌマ・エリシュ !!」


幾つもの宝具と


エアから発せられた時空断層が


アイアス


削ってゆく。


(くっ・・・!!このままじゃ!!)


保たない。


そう思った刹那。


アルトの背中が光った。


「何?あれ・・・」


セシリアも驚愕していた。


ギルガメッシュの攻撃も止んだ。


アルトの背中には刻印が浮かんでいた。


アルトの手には


乖離剣が握られ、


アルトの背後に


無数の宝具が存在した。


「何!?我と同じ、だと!!??だが、バビロンはともかく、エアは・・・」


「さあ英雄王。オレとお前、どっちが強いのか、最強はどっちか、決めよう」


アルトが乖離剣を構えた。


「・・・ふふふ、ふははははははははははははははははは!!!良いだろう雑種。人間のお前が、王である我に何処まで対抗出来るか、見届けてやろうじゃないか!!」


ギルガメッシュも乖離剣を構えた。


天地乖離す開闢の星 エヌマ・エリシュ !!」   天地乖離す開闢の星 エヌマ・エリシュ !!」


二人が叫ぶのはほぼ同時。


その一瞬が勝負を分けた。


ギルガメッシュを無数の宝具が貫いた。


アルトが放ったエアはギルガメッシュのエアを相殺。


「雑種ごときにぃぃぃぃ!!!」


ギルガメッシュの体が消えた。


こうして、聖杯戦争はアルトとセイバーの勝利だった。


「・・・!!アルト、あれ見て!!」


セシリアが空を指す。


そこにあったのは


黒い、『 あな 』。


「これが、聖杯、なのか・・・?」


 To Be Continued...




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