Laub🍃

Laub🍃

2010.09.16
XML
カテゴリ: .1次長
自分がどうしようもないクズだと気付いてしまったのは16の時のことだ。
同時に自分がそのどうしようもない部分を曝け出した手前ひっこめる事が出来なくなったのも、新たな世界とやらに脚を踏み入れたのも、どうにもならずずたぼろになったのも、-----それを、あの人に助けられたのも、17の時のことだった。

あれから十年。
足はまだ泥に塗れ汚れを洗うどころかずぶずぶと底なし沼に沈んでいくばかりだ。

その中で唯一、しっかりとしたものがある。
俺が沈んでいくなか唯一手放さないものは、ぎらついた本能と、俺より遥かに濁り、ゆえに強く粘るその人の執念。



畜生まただ。
いつもいつも俺は衝動に負ける。


俺ならともかく、その足を踏んだ相手は。

そうして今日も俺は昨日の熱さも痛さも忘れ、明日のことなど考えずに戦い続ける。
俺を叱る飼い主サンの優しい声と、その強い背中だけがあれば今日も俺は生きていける。

「ボクのことなんていいのに」
「そういうわけには参りません」
「ボクが君に望んでるのはボクのプライドを守ることじゃないでしょ?」
「……っはい」
「分かってるんならいいけど」

その人はどこまでもこの沼を愛していた。

だから俺は今日も、ここを守り続ける。

to be continued... ?





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2017.05.14 17:32:09
コメント(0) | コメントを書く
[.1次長] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: