Laub🍃

Laub🍃

2011.03.03
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カテゴリ: .1次長

人の心を知りたいと思ったし、そのためには悪感情を知ることも欠かせないと思って、
自分のそういう心も相手のそういう心も許容できるようなそんな人間になりたいと思って
その上で何もないように振る舞えるように頑張ってみたけどでも全てが嫌になってしまいそう。
見ない振りは辛かったけど、直視は辛くて、直視し続けるために心のどこかを停止するのも辛くて、全てどうでもよくなってしまいそう。

つらい、しんどい、おうちかえりたい。

私が一番輝けるのは自分一人で居るときな気がする。
心構えをしたくない。私が受け入れてもらえると無条件に考えられるか無条件に人を退けられるならよかったのにとか思ってしまう。


疲れる疲れる吐かれる浸かれる衝かれる突かれる憑かれるーーーーーー


ーだから、私は人を疑い続けることを強いるハコを飛び降りた。




目覚めた時、私は男になっていた。ついでに異世界に居た。
よく分からないまま女神とやらに「喜んでいいのよ」と言われた。

私は向こうの世界で言いたくても言えなかった秘密が見ず知らずの相手に知られていたことに動揺し、多分一旦壊れた。

私は俺と自分を呼ぶことにした。
そして超がつく鈍感野郎になった。

新しい視点を手に入れて思ったのは、案外世界は優しくて面白いかもしれないということ。
そうして俺のたどって来た道も実は案外優しくて面白かったのかもしれなかったということ。

何故かと言うと新天地では俺の話やたとえ話がよく面白いと言われたからだ。

俺はその場にあるもんを使ったり、自分にとって印象が強かったものを使って説明する。
TPOをあまり選ばず、相手にとって分かりやすい方法をとる。
といっても、それまで説明する必要のなかったことを説明するんだったらそんなもん選んでる場合じゃねえって思うんだがな。

こういうところで、俺は雑だと言われる。

雑なんじゃない、冷静で公平なんだと言うが聞いてはもらえない。
神経質が駄目。無神経も駄目。どっちにしろ地獄だ。

いつも寒い。
たまに心の回路が熱くなる。
故にそれに素直に従うだけだ。

「田中くん田中くん!新しい面白い設計書ができたよ!」
「あーそういうのいいです。俺は興味ないんで」
「えー、勿体無いなー!田中くんがせっかく連れてきてくれた人材なのにー!
 最後まで見ようよー!」
「そういうのほんといいっすから。
 見たって俺は何も口出しできないんだから見る意味ないです」
「まあまあ、今後連れてくる人材の参考にでもしてよ!」
「……はー…」

 深いため息を吐きながら田中補佐は結局ずるずると佐藤博士に引きずられていく。
 ここには疲れた人かおかしなテンションの人しかいない。

だから、研究以外でフルスロットルな人を見るとすげえなって思う。

「あー!俺のエロ子ちゃんがっ!」

男になって増えた楽しみの一つ。
トリップしてきた世界でもエロ本は健在らしい。

そしてAから借りたエロ本をBが適当なー本人曰く最適なー場所に置いて、そんなところにあると思わなかったCがうっかり気付かないまま落としちまって、更にそんなとこにあると思わんDが踏み潰し、原型を留めなくなったそれを更にEが人の大事なもんだと気づかずに踏み潰し…
悪気なく壊す破壊神や、そもそもぶっ壊すのが大好きな壊し屋脳はその過程を一人でやらかすが、大抵は少しずつの積み重ねで結果に至る。


人類の大体の戦争は悪意のせいだけじゃない。
人が疲れてて面倒になって動いたかそいつが雑だったか欲望に抗うのが億劫だっただけの話。
ってのが俺の雑な持論。

だがそんだけみんな疲れてるってことなんだろう。
特にいつ終わるともしれない試練の中じゃ。

沢山の人の病気を治す仕事だと銘打っては居るが、俺達の真の目的はデータを集めて古代の病を復活させること。
少しずつの積み重ねで結果に至ることだが、こっちは方向性を好きにやるわけにはいかねえ。

マカロニ・チーズ・ミートソースに似たものを混ぜた夜食をほおばる。
原料が確か虫……いや、やめとこう。神の組み合わせに等しきものに突っ込みを入れるのは無粋というものだ。
向こうでも、俺の…私の唯一の逃避手段だった。
ある時までは。
中途半端に刺激された不快感を今では冷めた目で見つめ直せるけれど、当時の俺はそりゃまーよわかったもんだから、吐いたりしてた。
無神経になってよかった。
沈み込み過ぎずにすむし、いいもんをいいもんと、素直に認められるようになったから。

伸びてきた前髪の色は向こうより少し明るい茶色になっている。
案外気に入っていた髪色だったので少し残念だ。


語れる場を得ると言う事は誰かの語りを殺すことである。

そう思っていた時期もありました。
よいではないかよいではないか。

それで生きてければ上等だ。
皆俺等の後に続いて、みんなで語りを殺す側になろう。

殺し合いなんてもの、

’殺され合い’

よりかはずーーーっと紳士的だろ?


to be continued...?





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最終更新日  2017.05.05 18:40:56
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