Laub🍃

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2011.06.23
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カテゴリ: .1次メモ
 与えられたものしか人は生み出せない。
 きっと私が何も持たないのは、そのせいだ。
 けれど君が私に求めるから、私は外側だけでもと、取り繕い始めた。
 嘘でも、君は喜んでくれた。
 私の世界に最初に根付いたのは、「嘘」だった。


 与えられたもので満足しろと、君は言う。
 けれど一つ与えられると、もっと欲しくなってしまうのだ。
 ついに仮想が現実を上回る。それだけ現実がつらかったから。
 現実がつらいほど寄りかかりたかった。

 嘘をついてくれる優しさが僕は好きだった。


 嘘を吐かない子が君の前に現れたら、君がその子を好きになってしまったら、どうしよう。
 私の世界に次に根付いたのは、「嫉妬」だった。


 嘘自体は怖くなかった。
 僕を殺さない優しささえあればそれで。
 でも君は、あそこで、肝心なところで、嘘を吐いてくれなかった。
 いつも背伸びしていたかかとを下して、自分はここに残ると、もうついていくことはできないと言った。


 嘘を吐きすぎて何が本当なのか分からない。
 彼を想う自分が本当なのか、突き放す自分が本当なのか。
 三つ目は、「自己嫌悪」だった。
 ここまで嫌いな自分を作るあなたを憎みもした。



 けれど君だって悪いのだと、憎んだ。逆恨みだと言うことは分かっている。


 歩いてきた、以前は隣で、今はそっぽを向いて。今一度振り返ると、同じような君が居た。


 君は相変わらず色のない鏡のままで、きっと交われることはない。


 私は鏡なのかもしれない。けれどその前で踊るあなたが好きだった。私に色を与えてくれたから。

 彼女は鏡だった。けれどそれはいつも僕の目に映る自分よりずっと綺麗で、彼女の目に移しこまれた自分の像は都合のいいことばかり教えた部分だけが映っていて、僕はインコよりも滑稽な恋を君にしていた。





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最終更新日  2016.09.02 13:30:42
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