Laub🍃

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2011.09.17
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カテゴリ: .1次メモ
 プライド。自尊心。ここまで不合理なものはこの世に無いと思う。
 プライドを守る為にずるをしてでも自分の立場を守ったり、プライドを守る為に自分の命を擲ってでも誰かを救う最期を迎えたり、プライドを守る為に自分が不利な状況に陥っても表情を崩さなかったりー本来なら自分の醜い姿を劣悪な立場を晒しても泣き喚いてでも守るべきものが在る筈なのに。
 だがー自分が自分足るアイデンティティを支えるそれがなければ、きっと人は立つことが出来ない。

 なぜなら、最も最悪な環境に置かれた時にでも自分を守ってくれるのはそれのみだから。

 合理的に物事を突き詰める為に邪魔をするのがプライドならば、
 合理的に物事を突き詰めれば損をする時に、泥を被る者に与えられる輝く称号もプライドなのだ。

 ムクィス。

 彼への扱いは皆手を焼いている。
 だが彼が嫌われ者かというと、別にそういう訳でもない。周囲の皆が彼の行いを赦しているということもあれば、彼に赦された者が彼への親しみを感じているということもあるだろうし、また彼と共に悪戯を繰り返す者ならば共犯意識もあるだろう。



……だがしかし、オヌイミのように彼に制裁を下すことが、果たして効果的なのだろうか?

 プライドなど殆ど無いように見せて、合理的な判断を、より少ない犠牲で最大の効果を出すことを求める己にプライドを持っている私としては、この件をどうにかして解決の芽を出したい。

 考えてみる。


・自分が失敗している分、相手に対してある程度寛容。
・彼の言動として、「男らしさ」への若干の憧れがあるように感じられる。
・オヌイミの制裁に対し、分かっているような分かっていないような顔をしている。
 少し動じてはいるが、それでも涙を見せることは無い。涙を見せるのは格好悪いと思っているからか。
・唯一の涙は、先日彼はさほど悪くないのにいつも彼が悪い事をしているからという理由で彼のみ責任を押し付けられた時。……それも恐らく、彼の一番の友人であるキャテティクと衝突したことが大きい。
・後日、キャテティクと仲が良いのだなと言うと、そうだと言ってくれた。そうして、フォムと衝突し仲が裂けたリシットのことを知ってか知らずか、仲の良さは喧嘩をすることも含むとキャテティクと共に語ってくれた。
・フォムが泣いていると、泣き虫とからかう。……彼としては、涙によって感情を表現し周囲に訴えかけることは無効だし、恐らく居心地が悪い事。故に、からかうことを楽しむか、彼女が怒る事で涙を引っ込めることを期待している。
・家族が多く、故に彼がその中で少し寂しい想いをしているかもしれないこと。



・寂しい、故に楽しい事を求める。
・彼は悪戯をし、我々含む周囲の人々を翻弄することを面白い、また格好いいと思っている。
・他に面白い事がある場合はそちらに目を向けない。
・いつも余裕のある表情をすることが恰好いいと思っている。


……最後はなんというか、彼よりも5つほど年上だった当時の自分を思い出すのだが…


まあ、彼の目から見た我々を考えてみると、だ。

・オヌイミ:普段は優しげであるが、怒らせると雷が来る。だが畏れすぎる必要はない。というか自分一人が怒られるなら別に耐え切れないことは無いし、耐えきれた自分は恰好いいのではないか。
 優しく頼りになるから、母親か教師としては理想的。
・クスムリア:クールであるがゆえに、からかう相手としては向かない。本当に困った時には助けてくれるわけだから、それまでは楽しませるかある程度驚かせる方向でだけ感情を動かさせたい。
・私:駄目な所があるがゆえに、共感が可能。だが、いまいち頼りにならない。しかし怒っても暖簾に腕押し、まあ少し面白い反応もするし、遊びが無い時はそういったやり方で構うか。



 …少しというかかなり私情が入ったが、現在の考察に利用するならばこの程度でいいだろう。

 では、どうすればいいのだろう。


・鉄拳制裁
 これはまず論外だ。私の首が飛ぶし彼の心には恨みが残る。
・論理的制裁
 下手をするとここで逃げられてしまう。
・一言「男らしくない」
 男らしくなくて良いとその場で逃げられたり、「男らしくないわけじゃない」と言われる可能性がある。
・暫くつんけんしてみる
 クスムリア先輩ならばこうするのだろうが、しかし私がやった場合構うまで悪戯などを仕掛けてくる可能性がある。

 残るは、一言で効きそうな理屈と、暴力を奮わず抑え込んだり身体的制裁を加える事、彼に協調の喜びを教える事。


 彼の生き方の失敗の原因の一つとして、「これくらいで泣くなんて」とからかう相手に対し思うことだろう。
 すなわち、彼としてはそれをされても殆ど応えないのだ。

 これくらいどうってことない、どうでもいい。そう思う事を先日私はフォムに教えたが、それが行き過ぎると、だ。

……他人に対して傷を与えてしまうことに対してさえ、「これくらいどうってことない、どうでもいい」と思ってしまうのだ。
 自分が強い、逆に言えば相手が弱い。

 強弱を善悪と読み違えてしまっているのだ。

 一番の善は他者に対し幸運をもたらす事で在る筈なのに。

 ……だが、彼が悪戯をしていない時は私は他の人々に目を向けてしまっていることが多い。
 故に、彼としては

 目立ったもの勝ち、

 つまり

 問題を起こしても注目される>言うことを聞いて模範行動をしているが地味

 の方程式を、私と言う存在の投入によって確信してしまった可能性すらある。

 ゆえに。

 強弱ともう一つ、派手か地味かということも彼としてはやりたいこと、の基準に含まれてしまっている。
 放っておけないフォムを私が良くフォローしていることもあるだろう。

 ……私のなすべきことは、

・注目なくとも近付いてきてもらうこと。
・自分に何もすることがなければ、地味な時の彼に近付いてみること。
・弱さが悪い事ではない事を、伝える事。

 ではないだろうか。

 あと二日しかないが、……そうして私は明日、早めに世界を揺るがしそうな選択の場に行って、それについても考えてから行く事になるから、彼一人だけに考えを置くことは出来ないが、目いっぱい工夫を重ねてみたい。

 明日オヌイミ先輩やクスムリア先輩と会うのが、いつもより早い事が吉と出ることを祈って。




 …あと、少しだけ、自身の下衆の勘繰りを続けてみようと思う。

 彼は、もしかして問題を起こす・起こさせることで誰かの名前を私に覚えさせよう印象付けようとしているのではないか……

 まあ、これは私を主眼に置きすぎだし、彼をダークヒーロー視しているという感も否めないが……


 年代が違う者というのは、得てして違う原理で動いてしまうものだ。育った状態が違い、最も大事にするものが違うならば、……その為に捨てられるものが違うならば、猶更。
 私がかつて、母の為に母のコンプレックスを模倣したことと同じように。


 私の問題は、取り敢えずオヌイミ先輩、訊くことに勇気が要るがクスムリア先輩に頼ってみたい。
 そうすることで拓ける道ももしかしたらあるかもしれないから。





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最終更新日  2015.09.17 02:55:46
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