Laub🍃

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2012.04.27
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カテゴリ: .1次メモ
彼女は、窓の外側から内側を覗くことができた。

その中には人々のこころの内臓が詰まっていて、手を伸ばせはしないけれど生々しく変わるそれは自分の一部であるかのように臨場感を感じさせた。


彼女は空っぽだった。


彼女はすべてを見ていたけれど、彼女を見る者は誰もいなかった。



何者にもなれなかった彼女は、気付けば窓の中身をひどく憎み爪を伸ばし傷つけようとする、けれどそこには筋一つつかない。



窓なんてなければ、そこに温かいものがあることを知らなければ、孤独だって知らずにすんだのに。





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最終更新日  2016.02.04 17:17:09
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