Laub🍃

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2012.08.05
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カテゴリ: .1次メモ
「……よろしくお願いします。召喚士のサラ=マンドレイクと申します。サラマンダ―、フェアリー、ユニコーンを主に使役しています。……こちらから質問しても、構いませんか?」

 確かに彼女は、もんのすごいべっぴんさんでしたぁ~。燃やし尽くした灰のようなばつばつに切った奇妙なおかっぱ頭がとてもよく、その下の憂い顔に似合っていて。

「ええ、構いませんよ」

 外面の先輩気持ち悪いですねぇ…ま、いいんですけどぉ。

「……本当に、魔王たちに逆らうおつもりですか……?」
「ええ。もう、決めたんです」
「…………強いですよ、魔物は……特に、魔王クラスなんて。あんなにがんばったのに、かけらも意味がなかった。私も、サルビアも、ポーマスも、ノンも……。……サルビアが土下座して許しを請わなければ、あの魔王が気まぐれを起こさなければ、私は今ここに居ません。…今は、全世界の魔の力が強くなっている時。おそらくきっと、もっと」
「……仲間が、居ます。今度は、もっと、強くなれます。これから仲間ももっと増えていくかもしれません」

 そう先輩が言うと、サラさんは静かに泣き始めましたぁ。慌てた先輩が触れていいものかどうか迷いながら、サラの背中をぽんぽんと叩くと、サラさんは更に泣いて、男どもはみんなおろおろ。まぁ、私もおろおろしてましたけどぉ。



 おろおろする私たちの中、一番先に立ち直ったのは彼女でしたぁ。いやぁ、女性は強いですねぇ。

「困らせてしまってすみません。……よろしく、お願いしますね」

 目じりを赤くしながらもにこりと笑った彼女の笑顔は、女の私でもどきりとさせるものでしたぁ。



「……で、あの、……西の魔王をサルビアさんと倒しに行って、サルビアさんがあっち側について見逃してもらったんでしたっけぇ?……あの坊ちゃんって、魔王様ですよねぇ。明らかに力つけて俺を楽しませろって感じが見え見えなんですけどぉ…」
「いや、西は後回しです」

 すごい勢いでサラさんが顔を振りますぅ。

「……すみません、まだ、あの時の記憶が残っていて…行くなら、東からにしてください」
「……」

 目を合わせる。まあ、どこからでもいいですしねぇ。西について勝手知っているならと思いましたけれど、震えている彼女を見るとそういうわけにもいきませんし。

「じゃあ、行きますか」

 そう言って、私たちは朝日の方向へ歩き出しましたぁ。






●小ネタ

・RPGものにありがちな「悪夢」の中に囚われたハチコを嫌々ながら助けに行くナグモ。

なんかすっげえ幸せそうにプディルの膝の上でごろごろ言ってるハチコを見てドン引きしたナグモは
↑を見ながらフーフー唸りながら鉈抱えていつ殺そうか狙ってるハチコを見て更にドン引きする



・悪党になれたならあなたを憎めたのに。



 東の魔王子を説得して寝返らせて、西の魔王をサルビアの犠牲で倒して、北の魔王は一番の部下の秘策が破られた時点で降伏して、そうしているうちに、北の魔王がラスボスとしての力と神のような求心力を蓄えてパーティの前に立つ。












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最終更新日  2016.06.13 01:40:34
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