Laub🍃

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2012.08.12
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カテゴリ: .1次メモ
 物足りない。ちっとも物足りないのだ。

 一つ終わればまた次と、玩具に手を伸ばすのはそのせいだ。

 足りない世界が悪いのだ。



 なんて思っていた時代もありました。
 なんと聞いてください、魔王だの勇者だのうるさいご時世ニートを貫き通してきた俺がついに就職しましたその就職先は「魔法使い」!

 いやあ、最初の頃は命がいくつあっても足りないもんだと思ってたんですけどねえ、だって人員不足で普通後衛の筈の魔法使いが前衛やってるもの。隣は遊び人(ニート)と警備員(ニート)。この町内、全員徴兵よろしく連れてかれる中しぶとくあがき続けていた「恥ずかしい息子」3人だけど父ちゃん母ちゃんまでも勇者だの勇者の仲間だのに仕立て上げられ、食うに食えなくなった俺達はついに立ち上がったというわけだ。まあお互い小学校の同級生だった以外まったく知り合いじゃないんだけど、なんとかお互いの傷も分かるってことで冒険に出ました俺達。

 なんだか最近は死にそう?あっ死にそう?っていうのも快感になってきたっていうかー、あー俺生きてるわーっていうかー、玩具が俺自身の死生?みたいな?ってなってきたところなんですよねえ。あー楽しい。命がけの冒険楽しいわー。

 だから俺達は魔王軍と人間軍が戦争やめて無難に仲良くしてこうっていう最近の情勢も知らん、知ったこっちゃない。ってことで西の魔王の部下(メイド)(萌えない)と戦ってたら「いのちだいじに」とかいう叫び声と共に北の大陸へ飛ばされました。


「文句言うな魔法使い。今日も修行だ」
 だだを捏ねると遊び人に突っ込まれる。いやお前に言われるとか。敵が現れるとひたすら遊んだり踊り狂ったりぱるぷんて起こすお前に言われるとか。
「……港…だ…」
 警備員がぼそりと呟く。その言葉で一気に目が輝くのがわかる。
「えっまじで!?やっとモンスター飯から解放されるわ~」
「……それだけ…じゃない…多分……強敵」
「ま~じ~で~~~~!!!?うわぁドキドキしてきた!これが……恋」
「いや、違うだろ。お前は特攻狂なだけだから」
 ぶう、と口を尖らせると可愛くないと言われる。お前に言われたくないんだよなー。

 さてと、聞き耳聞き耳。ずっと森の中に居るってのもおかしいから、港に出て船使う手続きでもしつつ。
「……すまないな。目的地は本当に一緒で大丈夫なのか?」

「ええ、死んだらあなたの目の前で生き返るっていうのも、一緒に行動しているなら助かるばかりですし」

 ……生き返りの、秘術?

「…あいつ。……強い、やつ。隣の執事のほうが…つよい…けど」
「……だよなあ。生き返りの術なんてよほど年寄りの賢者とか僧侶とか神官とかじゃなきゃ知らねえぞ…?」

 でなきゃ、中くらいの位階の魔族とか。……俺には人間に見えるんだけどなあ。


「では、出航しますか。殆ど北の他国行きですし、東に行くのはこのろ…」
「あ、はいはーい俺達も乗せてー!!」
「何を勝手に申請しているんだ!」
「……本当…自分勝手」
「……え?」




 だって面白そうなこと、乗らなくっちゃ損だろ?









***

タナトフィリアっていうのを最近知りました。好き。

魔法使い→陽気でお茶目。dt。「レバー」と呼ばれている。
遊び人→「ちょっと男子真面目にやってよー!」と言うタイプ。dt。「ギアラ」と呼ばれている。
警備員→口下手な力持ち。獣寄りで、難しいことを考えるのが苦手。dt。「ミノ」と呼ばれている。

強そうな人→東の自分の城にワープで帰るにはMPが足りない。でも死者を生き返らせる天●牙的能力はまだ使える。

*追加設定*

西→魔王が弱体化してしまった&前々から人望なかったせいで魑魅魍魎跋扈中。
  一番の側近であるメイドはもうどうにでもなーれ★って思ってる。
  身内大好きな闇の大神官(ハゲ)(人間)の布教活動が目の下のたんこぶだけど目の下のたんこぶは他にもどんどん増えていく。身内が敵だらけ。若返る寸前に魔王が漏らした愚痴によると最近別居中の娘にも「同じ場所で服洗わないでくれる」と言われたらしい。
  度重なる魔族同士の内乱によって、魔族の侵攻が中止されたためいくつかの街がまだ人間たちの街として残っている。そのうちのいくつかが蜂起し村を放棄して混乱に乗じて魔族魔物の村・町・国を乗っ取ろうとしているが、なかなかうまくいかない。

東→魔女王を信望する執事長(女)・大尼僧・大尼僧補佐・尼寺武者達が主な政権を握っている。ぅゎじょしっょぃ。
  肩身が狭い魔王子(傲慢卑屈)は、魔女王が亡くなってから更に顧みられなくなる。魔女王は草の陰から見守っているが、魔王子がそれに気付くことはない。死にたいが口癖だけど、それを魔王子大嫌いな執事長に聞かれると永遠に解けない催眠をかけられ心を殺しにかかられることが目に見えているので言わないように気を付けている。
  執事長は性格が悪いわけではない。ただ徹底的に魔王子が嫌いなだけ。
  周囲が大きな海に囲まれているため、ワープや飛行、泳ぐ能力に長け、かつ結界を突破できなければ辿り着けない。謎に包まれており、とにかく女が多いということしか分からない。モンスターたちも女の力が圧倒的に強い。アマゾネス帝国と言っても差し支えない。
  魔族に支配され過ぎて、魔王子達にとっては魔物・魔族を人間が倒しているっていうのが奇妙な光景に見える。

北→世界を四分割したい魔王友にもそれに反対する側近にもどっちつかずの態度を取っていたら側近に家出されあてつけに勇者に加担された優柔不断オブザキング北の魔王含め、複数の人間王の統治で成り立っている。

南→「悪」「敵」の概念から生まれた一番最初の魔王が統治しているが、どういうわけかとても弱い。でもオーラが凄い。大抵の人には「こいつは倒さなければならない敵だ」「でも怖い、近づけない」「畏れで攻撃すらできない」と思わせる。本人は至ってお気楽だが、寂しい。彼女の暇暇コールに付き合いつつ彼女の露払い役を務める純白騎士によって、全大陸民は脳髄からつま先にかけて支配されている。肉の芽、氷の女王vol。





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最終更新日  2016.06.18 03:11:01
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