Laub🍃

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2014.08.25
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カテゴリ: ●新書






標的







師 vs 弟






暦年のしがらみ
師の師
親分についていく子分
王道覇道の師匠と我が道の弟子
美を超えるもの
古代から甦った強者・・・・・・




少年漫画。 物凄く少年漫画を彷彿としました。

しょっちゅう過去編挟んでいたり、登場人物多すぎて追いつかないところも


「光の教会」と同じく平松剛さんが書いたものですが、
あちらは竣工、組織をメインにしていたけれど


この本では、東京都庁舎を新しく建てる案についてのコンペを扱っています。
コンペでは10社が争いますが、その中の丹下先生と磯崎親分
それぞれの案についてクローズアップしています。

師弟対決。少年漫画っぽくなってきました。


師弟、磯崎親分の子分の人々、磯崎親分の師である丹下先生の更に師に当たる人々。
それぞれの試行錯誤、失敗体験、成功体験、他の作品とのつながり。
これらが全て次回作へと集約されます。

使い勝手、色々な人の好み、周りの景観、失敗体験、上の人のホニャララ、
設計をする人、その助けをする人、(その反乱、)模型を作る人、絵を上げる人。
彼らの力が収斂する「大きな作品」。


まさに、「都市はツリーではない」のような



出来上がったものはそこで終わりではありません。
そこからさらに繋がっていくことが重要であり、だからこそ「完結」すれど「繋がることのできる」
ものを作ることこそ、「都市づくり」なのだと思います。

個人的には、最後の勝ち方があまり気持ちよく見えませんでした。
読み進めていく内に、丹下先生がただ単にライバルというだけではないというのが

(私が文に引っ張られているというのもあるかもしれませんが)
シンプルイズザベストとは言いますが、建築については「シンプル」という言葉だけではなく
シンプルだからこその厳選とか、見せ方とか、発展の仕方について
吟味するべきなのでは…?と。

光とはある種の魔法です。
使い方がとても難しいけれど、自然の中で一番の力と言えるかもしれません。
空間もある種の魔法です。
目だけでなく、耳だけでなく、肌だけでなく、
全てがそこから始まりそこに落ち着くからこそ
何かを潰したり何かを増やしたり何かを減らしたり
あらゆることが他のあらゆることに繋がっていく。

闇はプラスでもマイナスでもあり、境界線もプラスでありマイナス足る。
最大限生かすこと、最小限へ切り詰めることはそれだけに終わらない面白さを持つ。


磯崎先生の次回作にご期待ください
磯崎の最高傑作は、常に次回作。


昔を懐かしむこと、未来を見つめること、
そしてどちらにも廃墟を見出すこと、そこから新しいものを生み出すこと。

終わりの見えていそうな中であがいているようで、
見えているからこそ作れるものがあるようで、何とも面白いです。





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最終更新日  2014.08.26 17:22:03
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