Laub🍃

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2017.01.02
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カテゴリ: ●読
「絵を描いていて良かった」

このお話、とても好きです。

絵に描いた生物がリアル過ぎて、片方の瞳を入れると実体化してしまう絵師白祿が主人公です。
金を騙し取られ、いくつかの絵の瞳を描くしかできなくなった絵師白祿が、今まで絵を売った屋敷を訪ね絵に命を与え、それらを売ることで金儲けを目論もうとします。
(なかなか捕まえられないのですが)
そんな彼ですが、
「私じゃ無理ですよ!あの美しい毛並!」
「当然じゃ」ジマンゲ
その言動の端々に絵師としての矜持と愛が滲んでいます。


「す すごい 白祿様はやっぱりすごい」

そんな彼が旅を供にするのは、自身の安い贋作絵から抜け出た馬と若武者ーある意味もう一人の主人公。
「私じゃ無理ですよ!…半分紙の私と違って!」
足・生物捕獲役として瞳を描きこまれた彼らでしたが、ど下手な贋作だけあって、馬の脚は弱いし若武者自身もヘタレ。白祿に溜息を吐かれまくるくらいに。
「もう人は信じられん」
「では私が…」

「お前もそんな人間の一人になりたいか」
「それでも…」
けれど片目だけ白祿に描かれた彼は、わがまま頑固爺さんである白祿をずっと叱られながらも支え続けます。彼の願いは、「人間になること」だった筈でしたが……。


そんな彼らの絆から辿り着く最後の「よかった」。
そこに連なるのはその前の「絵に描かれた者同士の絆」。



同作品集に描かれた「子がかわいいと竜は鳴く」「狼は嘘を吐かない」もですが、
九井先生の描かれる親子愛は泥塗れだからこその美しさを持っているように思います。

<金なし白祿…作品集「竜のかわいい七つの子」収録>

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追記:

あと猫科可愛過ぎる。反則。





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最終更新日  2017.01.02 12:31:42
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