Laub🍃

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2017.04.11
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カテゴリ: 🌾7種
*桜が夏に咲いたとて、それを「桜ではない」と言うだろうか。
*自分の入学式で「チェリー」が流れていたとて、同じ「チェリー」が卒業式で流された時
それを「これは入学式に違いない」と言えるだろうか。

桜ではないと言えるのは、厳格だから。
しかし「これは入学式に違いない」と言えるのは、それ以外の世界、概念を知らないから。
 ……知った後ならば、「これもある意味の入学式だろうな」と言えるのかもしれないけど。

そんな意味と意義についてのちょっとした考察。


ちゃんと終わらせないと終われないし始められない 」の後、新たな生きる意味(希望)…
扉を開ける為だけに生きてきた彼らの、次なる扉について話したいと思う。


目次>>
●嵐「逃げてよかったんです」
…生きる意味「逃げずに立ち向かう」は捨ててもいい
●新たな「生きる意味」
…「逃げずに立ち向かう」以外の生きる意味は、もうある。
そして自分が背負わなくても、茂という「生きる意味」は隣で歩いてくれている。

●使命感と自己承認は諸刃の剣
…剣に柄となる包帯を巻いて、向ける相手を間違えなければきっと人を守る為のものになる。
●含まれるということ
…夏A が成り立つなら 「オレ達」でも夏A⇔「オレ達」でもなく、「オレ達」⇒夏A
…それぞれ夏A以外のチームにアイデンティティでもって貢献し認証承認されることで
「卒業」して「生徒」ではなくなったものの「その人間」では居続けられるようになった。

…生まれた意味は「夏Aの為」生きてきた意味も「夏Aの為」だとしても
生きていく意味は「夏Aの為」でなくていい



…キャラクターに何かの言葉を言わせる為の作品、
思い浮かんだシーン が成り立つなら キャラクター
を是とするか
キャラクターが勝手に動く作品、
キャラクター が成り立つなら 該当シーンを受け入れられる
を是とするか論にも繋がりそう


おまけ●安居/ ミュウツー カツラ博士 、涼/ スプーン

**************


●嵐「逃げてよかったんです」
・=「夏Aでなくとも、安居たちは「生きていてよかったんです」」
つまるところ、この言葉は安居の「お前らに何が分かる 未来に行く為だけに生きてきた俺達の…」と言っている言葉のアンサーで、「その使命感に縛られ過ぎなくてもいい、使命感に殺されなくてもいい。その使命感はむしろ生きる為・人を生かす為に利用してしまえばいい」
ということじゃないだろうか。
集団である前に個人で居ていい、みたいな。定番や常識の前に、まず生きろ、みたいな。
(役割を果たそうとする真面目な人には難しいんだけど)
大手企業に受からなくても、無理して ブルーブラック 会社に勤めなくても生きていていい、みたいな。

誰かの為に頑張る事は素晴らしいことだけれど

そういう「人を理由にした生き方」でなく、茂の言うように「自分で決めて自分で責任を取る」自分を基点にできる生き方を薦めるような。


水属性の為にシャワーズが居るんじゃなくて、シャワーズは水属性であることをやめてイーブイに戻るっていう選択肢もある、みたいな…


「十分条件「夏A」でなければ「安居」でない」でなく「「安居」の必要(と思い込んでいる)条件の一つが「夏A」」ということを、嵐は示そうとしたんじゃないかな。

ただしそうして選択肢として提示することで選択「してしまった」事への自責がまた生まれてしまう。
安居の言うように「逃げなかった」=先生に強制させられ「殺され」たのでなく、自分達で選択した間抜けさで「死んだ」ということで、自分達を責めるしかなくなる。

(実際鵜飼のケースのように「先生達に騙された安居に誘導された」ことを「安居が先生の意図を承知で騙してきた」と思い込んでいる場合は誰を責めればいいのか誰も責めなければ自分を責めるしかない状態になることもある)
(悪酔いに対し水(蝉の酔っ払い理論)は効くが麻薬漬け酔いに対し水は効かない)


「選択「させられた」」が効いてくる。つまり「責任を一時的に放棄してもいい」ということ。
そしてまつりが更に「歪むように教育しておいて歪んだらその人のせいなの?」と要先輩に畳みかけることで平易になる。

責任を負っていなくても生きる事が許される…
「夏Aとして」でなく「自分として」考える事が許されることを自覚できる。
 そして、秋ヲの言うようにそれを色々間違った方法で、受け取りづらい方法でにしろ示されていた事にも。


「滅びてしまえ のばらのように」
夏Aに残れなければ人に非ず、消費物と同様である。生き残る夏Aの為の食糧にされる。
彼らはどうあがいても夏Aの血肉になる為に育てられた。
その為に生み出されたのなら、夏Aに非ずんば人に非ずと思わなければやってられない。

安居にとっての、「夏Aの為に怒る」行為は、背負おうとした行為は、
同時に夏Aに押し付けられた特別性、選民性、「事情が事情」をどうにかして
「無駄じゃない」ものにする為の行為だったのかもしれない。




けれどその責任は重すぎて、また他の人が負うべき責任も多大に含まれていて、
背負いきれるものではなかった。


責任は、安居にとっての矛と盾。
戦う為の矛であり、生きることを許される意義としての盾。
持っていれば闘い命の奪い合いを続けなければいけないけれど、
捨てれば酷く無防備で死にそうになる。



●新たな「生きる意味」
ここで「責任を放棄してもいい」だと「責任能力がない」→「責任感で生きている人の生きる意味を奪う」になりかねない。

犠牲にされながらも尽くしてきたものには、意味と意義と責任がないといけない。

”選んできた道のりの正しさを祈った”ことへの報いがなければならないし、
託された願いを、託された血肉を、今更引き剥がして捨てる事は出来ない。

だからこそ、
「ナツ達の為に(地上に)戻るよ」=現在の絆
「茂を連れてもう一度登る」=過去の絆
「オレが100人を助ける」(たち、ではない)=「夏A子供時代」の再救出
といった、押し付けられたものでない新たな責任、新たな自己をもって過去を昇華し、
過去と現在を消化して自分の持ち物にした後で、

「茂は自分で自分の責任を取った、自分で自分の縄を切った」
と責任を最も負ってきた相手が責任感を持ちたがっていたことを知った後で、

「責任を取る」「裁かれる」事は必要なイベントなんだろう。

だけど、そうして段階を踏んでいるならば
「半分私怨で参加してた貴士先生の分私怨の発端になった奴として責任を取らないといけない」と花に言わなくても(結局右から左だし)
「先生の分群れの分リーダーとして責任を取らないといけない」「オレが茂を殺した」「涼に縄を切らせることになった」と自傷を繰り返さなくても
「そう育てられた」「何か違うか」「オレは悪くない」で自傷を止めなくても

少しずつ責任能力を自分で掴んで傷付けた相手(十六夜や花たち)に対し「オレが悪かった」
「これ以上傷付」きながらも、自罰をする代わりに他罰を受け入れる度量が出来るんじゃないか。

許せない他者を生かしながらも、許されざる他者として生きていくことが出来るんじゃないだろうか。


●使命感と自己承認は諸刃の剣

「夏A(身内を食うか身内に食われるかサバイバル)」=温室(地獄風)育ちを選択させるか殺す
「逃げる(戸籍なし身内なし社会経験なし社会常識なし17年サバイバル)」=花は当然として嵐達日本人が当たり前に持っている「親はアレだとしても一応社会に受け入れられる基盤は出来ている」条件すら持たず放り出される事を選択させる


どっちに転んでも夏Aにおいて生きさせられた時点である意味普通の人の幸せを得るのは無理。
だけど、この選択で夏Aとして生きる事を選択し続けていたからこそ、「生きる為に生きる」でなく「夏Aになるために生きる」ことができていた。
毒が含まれていても、承認への飢え死にをすることはなかった。

元から押し付けられていた使命感、責任感、武器。
柄のない凶器。
夏Aとしての傷、記憶。

それは壊されない為の武器にもなりながら、自分で自分を壊す凶器にもなっているから、まずは
その凶器を離させる必要があった。
けれど、落ち着いた後に剣に柄となる包帯を巻いて、そうして向ける相手を間違えなければきっと人を守る為のものになる。


●含まれるということ

夏A=「選抜組+脱落組(+教師ども+要先輩)」
安居=「
・(元)リーダー
・茂・小瑠璃・涼達と幼馴染
・仲間(特に夏)大事
・火水属性
・半分白髪
・要先輩に憧れていた
・昔は素直でいい奴だった(by小瑠璃)
・夏Aで一人要先輩の特別プログラム受けさせられて脱落者は殺される事を知っていた
・でもそれを言ったら仲間が絶望しそうだから黙ってた+端午もふもふ
・脱落したら死ぬ(※「脱落したら殺される」ではない)って茂に言ったら「脱落したら外の世界とともに滅びるんだろうけど、人を撃たなくちゃ脱落するなら僕は行けない(そこまでして生き続けなくていい)」と言われる
・外の世界絶えねば絶えね」

というように、安居の経験は安居だけのものであって、必ずしも夏Aに献上しなければいけないものではない。

ちょうど嵐が出している例、
「「DV被害を受け容れて」いなければ「その人」としてのアイデンティティは保たれない」でなく、「「その人」が居る事がまず大前提で、「DV被害を受け容れて」いるのはその人のアイデンティティを保つための一つの条件ではあるが、必要十分条件でも十分条件でもない」
と同じように。

そういった意味では某所で、涼が夏A鬼ヶ島編で行動している事の後半悉くが「安居を夏A集団から離す」効果をもたらしている、と言われていることも安居がアイデンティティを確立するには必要だったのかもしれない。

それぞれの
・患者:鷭
→VS蝙蝠後秋救助+くるみ安定
・動物:源五郎
→新巻+動物解説役
・植物:あゆ
→新巻印の薬
・飛翔:小瑠璃
→ハル+VS蝙蝠での連絡役
・建造:虹子
→夏A村(→くるみ達安定)+お蘭
・注意:涼
→まつり・蝉inエレベーター
・水泳:安居
→嵐(わかめ)+船の扱い(夏B)→船からナツ(夏B)が見た事で小佐渡組レスキュー隊結成
・指揮:要
→夏B生存率100%+集結の佐渡

と、それぞれ夏A以外のチームにアイデンティティでもって貢献し認証されることで
「卒業」して「生徒」ではなくなったものの「その人間」では居続けられるようになったんだろう。


○卒業の後は


…「頑張れよ」の送辞と「お世話になりました」の答辞…



その後に、もう一度会い見えることがもしできたなら。

それはきっと
「扉を開ける為だけに生きてきた」彼らの、最後の扉になるのではないだろうか。

**************

安居と要と夏B(及び施設仲間一部)の関係、どっかで見たことあると思ったら
「ミュウツー」と「カツラ博士」と「ミュウ」だ。その流れで行くとレッドポジは嵐か…?

ミュウのある所ミュウツーあり。
ミュウツーのある所カツラ博士の異形腕レーダー発動せり。
カツラ博士「ミュウツーは私が生み出した失敗作。周囲にこれ以上被害を与える前に殺さねば」
レッド「……」

ミュウツーはあらゆる能力を兼ね備える。
足りないものは愛だけ。





夏のある所安居あり。
安居のある所要先輩の教え子レーダー発動せり。
要「安居は私が生み出した失敗作。周囲にこれ以上被害を与える前に殺さねば」
嵐「……」

安居はほぼ万能(byファンブック)。
足りないものは…?


涼は多分スプーンかもう一体のミュウツー。


「忘れたくても忘れられない。いや、忘れてはいけない」
・そうやって生きる安居の武器として、ハルや花や要を殺そうとするし追放にもついていく
・自分の方を見ていなくてもいい、真っすぐに理想と仲間だけを見ていればいい
・それに集中出来るようにしてやる
・それ以外は泥に嵌った芋虫でもいい

涼がこれぐらいは考えていても今更驚かない。


**************

夏Aの子供たちは夜の星。
穀雨の章…虚空の章 第一話の最後でも、星空を背景にして彼らは懸命に息づいていた。
地球に立つ要さんから見たら小さな星で、
朝が来たら、未来になれば消えてしまう光だけれど。
全てを乾かしていく太陽や、その鏡として光る月にはかなわない光だけれど。
それでもたしかに、見えなくなってもそこに居る。





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最終更新日  2017.04.12 23:07:04
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