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2017.06.25

ネムリノフチ（中村歩）／夢の中で狂っていく人達　　　　　　短感想・ネタバレ注意

テーマ：今日どんな本をよみましたか?(100669)

カテゴリ： ●少年漫画

一言で言うと、複数の性癖に目覚めました。

・大事なあの子を迎えに行く為に他に大事なものを作らない主人公
　・なおその数時間後
　主人公「もういい…もういかない…！」
・そんな二人の為に喧嘩してたらヤンキーになった元親友
　主人公（お前が後ろにいるせいであの子を迎えに行く道から逃げられないじゃないかーっ！！）
・あの子（怪物と紙一重）
　主人公「将来も誓いあってたんだ！！」
　親友「えぇ…（ドン引き）」

　先輩before「迷宮のことならお任せ」ｷﾘｯ
　先輩after「あ゛～～～？」
　主・友（）
・パジャマさん最強説
　パジャマ「おのれ矮小なる人間どもめ…」
　　　※味方です
・兄貴分「俺と一緒に闘ってくれ。死ぬだろうけど」舎弟「本望過ぎて鼻血出そうっス」

今まで普通だった人が、眠りの迷宮の中で動き回るうちにどんどん狂っていく。
今まで当たり前だった時空が、眠りの迷宮の中から外に干渉する回数を繰り返すうちに、どんどん異質になっていく。
今まで味方だったサイドが敵にまわる。

・主人公「あの子のせいだ。あの子のせいで僕は大事なものを作れなかった」

・主人公「でも、だから」

・ヒロイン「ここに居るの」

それでも、大事な人の為に彼らは夢を現実に変えていく。

・主人公「一緒に帰ろう」

＊＊＊＊＊＊＊＊

主に人物紹介。

３巻の中にぎゅっと内容が詰まっている感じで、ひとつひとつの人間ドラマが展開のみならず世界観にも深く干渉しているのが面白かったです。
因果律系の話はあまたありますが、主人公が結局中盤でヒロインを救えなかったり、改変の影響がとんでもない所に出たりするという部分でもストーリーが練られていることを感じました。

欲を言えば老齢局長・ダンディな方の局長とダンディ局長・ロリ局長の継承ストーリーをもう少し読みたかったですが、全体として綺麗にまとまっていて人におすすめしやすい漫画だと思います。

天然熱血な舎弟の鼻血発言とか、彼と彼女の似た者同士紹介とか、若干賛否分かれるかもしれませんが時間改変の末路のやっと手に入れた笑顔とか、えぐい・酷な世界があるからこそ、何事もなくうまくいった世界が幸せに見えて仕方ありませんでした。

迷宮人の過去を考えると、ヒロインとのやりとりが消えない為の条件で、ヒロインこそがある意味世界だったのかなと思うと、そうやって侵入者・改変者を殺し続けることこそが迷宮人にとって何事もなくうまくいった世界なのかもしれないとも思いますが。