Laub🍃

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2017.09.22
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カテゴリ: 🌾7種2次表
遠い昔、この世界は一度滅びたらしい。


だからこの世界には滅びる前の神話と、滅びた後、僕らに繋がるご先祖様の話が伝わっている。

前の神話と区別する為に、ご先祖様の話は『種話』なんて呼ばれたりしている。

僕は種話の方が好きだ。
だってこっちの方が旧時代の遺物なんかよりずっと親しみやすくて、本当にあったことと繋がってる気がするから。

1つは、村人が力を合わせて白い鬼を追い出す話。
1つは、井戸から追い出された蛙が葉っぱや泡に乗ったり、草や枝の陰に隠れながら旅をする話。
1つは、とても大きな弓の神様が錆の神様と闘う話。
1つは、暗くて静かで冷たい所に閉じ込められた友達を助けに行く子供の話。

1つは、閉じ込められていた怪物が、開けた途端に周囲を食べ尽くしてしまった話。
1つは、優しい神様が、信仰を失いかけていた村人を庇って死ぬ話。
1つは、小さな鳥が大きな魚や犬、蜘蛛たちの間を回って手紙を運ぶ話。

他にも沢山あるし、話ごとにバージョンも違うけど、有名なものはこの8つだ。
よく子供達への教訓として使われているけど、反論の余地や、別の目線で見た話なんてのがあるあたり、とても人間臭い物語だと思う。


僕達は知るよしのない、歴史を管理する人達だけが知っていることがきっと、その根源にある筈だ。

僕もいつか沢山勉強して、色々なことを知って、大元の神様や鬼の正体を教えてもらうんだ。

鐘の音。あぶない、そろそろ授業の時間だ。

目の前に由緒正しい鬼橋が迫る。


大きく一歩。


上を走って渡ると怒られる。







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最終更新日  2018.03.12 02:23:05
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