Laub🍃

Laub🍃

2017.09.27
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カテゴリ: 🌾7種
外伝前編の安居は過去を背負った一人の人間としてかっこよかった。あと可愛かった。
そっとごんぎつねしてたけど涼のツンデレ並に一部にばれてるのもよかった。




ーだけど。




外伝中編の安居の表情がきつかった。

醜悪じゃないんだけど、獰猛でもないんだけど、青葉の目とかキバウサギの目の印象、あといくつかのシーンの百舌さんに似ていた。


花と対面してる時の安居の目。


睨むことはまずありえない。
労わるのもまだ難しいだろう。
だから洞窟編のように、諦めたような顔をすると思っていた。



あれだけ色々なことがあって、狂って、殺人も暴行もやってしまって、追い出されて、後悔して、自己嫌悪して、生きていく意味を捜して、夏Bと出会って、茂に励まされて、もう一度混合チームと会って、要先輩と再会して。
ーそうして、今回涼の手引きで花に対して謝る「いつか」が割と早い時期に来て、一応何が悪かったのかとかある程度は自覚しつつ謝ることが出来て。-別に、それで済んだとは思っていなくて。許されないだろうことも分かっていて。

それなのに、花がどうして嫌なのかと言う事を言った時、まるで記憶喪失のような綺麗過ぎる表情を浮かべていた。きつかった。

感情も仲間も追憶も風景も浮かばない、ひたすらの純粋さ。

その表情の意味はきっと要先輩の純粋培養。

そう考えると意味が分かると怖い話の気分真っ只中…。

螢ちゃんに赤ちゃんみたい(※純粋という意味)と称された虹子。
まつりちゃんに綺麗と称された涼。

ただ、虹子はまだ保身を考えて建設的な行動が出来る。
涼は結果がどう転ぼうと楽しんでやるさと言う考えの上でリスクを侵せる。

保身を考えない安居。その場その場で生きているが、楽しむというか、涼のように状況を笑うことはできない安居。


話が、基準が、「多少綺麗じゃない」人だと合わないかもしれないほどの綺麗さ。



こうした「綺麗」さが、
・感情
・仲間
・追憶


の何かしらと繋がっている時はとても魅力的。
だけど、感情がはっきりせず、過去、仲間(或いはかつて仲間だった相手)のことを想っているわけでもなく、夏A施設や洞窟や水や砂漠と言った自然と繋がっているわけでもない安居は、もはや誰なのか分からない。

だから、その流れで、激情に身を任せているわけでもないのに傷付けた相手、殺した相手のことよりも思慕の方を優先させてしまう安居の涙は正直初見ではあまり、個人的には綺麗に見えなかった。
なんか自分の痛み>他人の痛みっぽいし…
安居が仲間大好き独り無理なのは知ってるし仲間>>>仲間以外なのも知ってるし未来来てから泣き虫になってるのも知ってるんだけど、一方的な片想い状態は涼の暗躍並に酔ってるように見えてしまう。

涼に対して「見張ってる」と言ったのも、涼が安居の為に敢えて泣いた青鬼やってることを自覚しつつも、今までのように「言わない約束」と想ったのだろうと解釈しないと正直あまり好みのシーンではなかった。


無自覚天然なのはいい。
だけど、あまりに過去から学んでいないゆえの綺麗さだとしたら、それは18歳として大丈夫かと心配になってくる。


幸い、後半で安居は再びきちんとした顔をした。

「これからすべきこと」といったどっかの誰かみたいなこと言って災害の地に赴いてるけどこちらは普通に生きて帰る気。

感情はある。覚悟がある。
仲間もいる。協力する涼が居て、一応手伝うと声を上げた苅田達が居て、守るべき混合チームが居る。
追憶もある。これまでの経験をもとに、今どうするべきか、これからどうするべきか、考えている。
風景もある。というか最後のシーン風景(土石流)しか見えない。


恐ろしいほどの空白は、きちんと埋まっている。
中身が詰まっているからこその輝きを放っている。


ーだから、そこから考えるに、あの泣いているシーンも、そうやって覚悟を入れ直す為の、新しく生き直す為の前座なんだと思う。

シャワー室で泣いて、それから
「大丈夫」
と小瑠璃達に言った時のように。

恐らく、一旦涙に任せて虚勢とか、激情とか、未練とか、そういうものを流したからそういう顔を出来るようになった。
同じように弱さや無知、甘え、純粋さを振り切ると言っても、7巻の時と今度の安居の変化は違う。

次回どんな安居が見られるのかとても気になる。





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最終更新日  2017.10.04 01:59:47
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