Laub🍃

Laub🍃

2018.01.17
XML
カテゴリ: 🌾7種2次裏
涼→安居



*********


放っておけないだとか、手を差し伸べたいとか、元に戻したいとか、そういうまともな気持ちのほかに薄暗い靄がある。

安居が必死に腕を伸ばす先。

過去に眠る茂と、未来で待つ要さん。

内心、その二人に何度も奪うなと叫んだ。

だが安居の伸ばした手が空を掻くように、俺の憎む先も願う先も空虚で、俺達は一体何をこんなに必死になっているんだろうと始終虚しさが付き纏う。

いっそ誰も居ない遠い場所に二人だけで行けたら、そうしたら安居の傷は癒えるのだろうか。
もうあの二人に手を伸ばさずとも生きていけるのだろうか。



答えは分からない。

だから分かるまで、俺は俺のできることをする。
その目を覆いふらふらと歩む安居の前にある障害を取り除いてやる。
躓くかは分からない。気付くかどうかも分からない。
取り除いたら更に悪いことになるのかもしれない。

それでもこの方法以外に、彼岸への抗い方を知らない。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2018.12.28 01:06:52
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: