Laub🍃

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2018.02.28
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カテゴリ: 🌾7種2次裏
目が覚めた時、『彼』の目の前には一人、泣く人が居た。

『彼』は記憶を全て失っていたが、どこか懐かしいような気がして、その人の伸ばす手を振り払わなかった。

あれから何年が経っただろうか。

『彼』は未だそれが分からない。

分かろうとする気もない。

自分の面倒を見ようとするその人が誰なのかも、どうしてそこまで『彼』を気にかけるのかも。

分かってしまえば、今の幸せが崩れてしまうような気がした。
かつて誓った何かが終わってしまうような気がした。

だから今日も『彼』は、真っ白な赤子であり続ける。





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最終更新日  2019.02.28 22:49:01
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