Laub🍃

Laub🍃

2019.02.14
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カテゴリ: ◎2次裏漫
鬼とは幼いものらしい。鬼になってからは心も体も成長が止まる。
ならばせめて、幼い体のうちに、幼い心を手に入れておけばよかった。
今も昔も幼い心など得ないままで、大人の理性と赤子の感情をもって俺は鬼になってしまった。


時間をさかのぼれば何がしたい?と問われれば答えは一つ。

いつものように人々を救いたい、ただそれだけだ。


俺は進化した。そして、時を短時間だけ遡る血鬼術を手に入れた。
遡るごとに俺の肉体はぼろぼろになるが、人を喰べれば、救済すれば問題はなかった。

好奇心で時間を多くさかのぼり過ぎた。

どうやら俺は俺が人だったころより数百年の昔に来てしまったようだった。



ゆえに俺は絶望した人を救ってあげた。

病で苦しみ、子に罪を犯させる男を救ってあげた。
病で苦しむ、子の死を見ない為女を救ってあげた。
男を探して暴れる子を救ってあげた。
女を探して彷徨う家族を救ってあげた。


あのお方が再び俺に会いに来た。
即座にひざまずく。なぶられても耐え抜く。

何せこれから俺はたくさんの人を救わねばならない。
人に傷付けられるであろう人を救い、鬼として俺の中で生かしてあげれば、その人々は罪を犯さずに長生きすることができるのだ。

ああ、なんと尊いことなんだろう。





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最終更新日  2019.07.02 12:42:41
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